PICTURE DIARY 1406FR2013

PD20130614s
原宿でのミーティングのあと、青山通りFOUND MUJIの脇道を入った奥にあるPAUL SMITHのギャラリーでTWO PIPE PROBLEMの「OLD LETTERS FROM LONDON」東京展オープニングレセプション。TWO PIPE PROBLEMを主宰するステファンを紹介される。背の高さはぼくと同じ位だががっちりとしている。優しい雰囲気だが、活版の印刷機を手持ちで持って来たと聞き、展覧会場の中央に展示してあるこの金属の塊か、と思うと、さすがに信念のあるジョンブル野郎なんだな、と頼もしい。どの作品も古き良きタイポグラフィの魅力がたっぷり。このような作品を一緒に創る機会を得て嬉しいと伝える。渋谷桜ヶ丘の「多心」で恒例のマキコ会。チズコさん、モモさん、オースミちゃんと旧交を温める。チズコさんが、80年代に貸し出しとか撮影の時、いつもローラースケートを履いているスタイリストが居た、と言うのだが誰のことだろう。確かに居たような気もするが、幻のような気もする。

PICTURE DIARY 1306TH2013

PD20130613s
BLM*、BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYA 2013-14FW MEN’Sのサンプル修正。デザイン企画の中心になるのは「12 POCKETS JACKET」。文字どおり12のポケットを持つジャケット。街着として、仕事や旅行用に、そして自転車に乗る時のためにと考えてもいる。出来る限り両手を空けてバッグや荷物を持たずに済むように。持ち歩く物の収納を考えたエレガントなジャケット。通常の前見頃の2つのフラップポケット、左の胸ポケット、前見頃裏の2つの内ポケットは財布やパスポート、さらに、その下方両裾裏に携帯電話やメモ帳のための2つの内ポケット、両袖にチケットやコイン等のために小さなポケット、両ウェストを少し絞った左右の前見頃に、カードやキーのための手の入れやすい浅めのポケット、さらに後ろ見頃腰の部分にA4の書類などが縦位置で楽に入る左右両開きの大きなポケットを付けた。合計12個。首の後ろの襟裏、フラップポケットにはリフレクターをパイピングして、夜間の視認性を高める。表地は上質な黒いウール、裏地はグレーにブルーブラックのダブルダブプリントをしたコットン。両素材共にストレッチを選び、抜群の着心地。

PICTURE DIARY 1206WE2013

PD20130612s
集中して絵を描く。野球の投手は捕手の何メートルも後ろをめがけて投げるように、サッカーの選手は90分ではなく120分を試合時間と考えるように、絵を描く時も、完成イメージのさらに先を見ていないと力尽く。特に線で描く絵は感情や精神、体調や状況もダイレクトに表す。あと一本の線を描けば終了と思ってはならない。ある意味では未完成の状態を良しとして終える。それを当然のようにやってのけるのもスポーツと同じ。

NEWS-OLD LETTERS FROM LONDON EXHIBITION IN TOKYO

DMO_EX2013s
OLD LETTERS FROM LONDON
A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS
EXHIBITION IN JAPAN

2008年からロンドンを中心に活動し、ステファン・ケニー氏が主宰する「A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS」の、日本で初めての展覧会です。古い木製の活字を使用した活版印刷、その芸術性の高さと普遍性に、懐かしさと共に、温かみのある未来を見ます。
ステファン氏とポール・スミスのテキスタイル、日本のアーティストたち、ミック・イタヤとのコラボレーション作品の展示と販売もございます。

mic_dmo_s400
THE TIME IS INFINITE ¥27,000 edition 10

mic_dmo_m400
EVERYTHING WAS A PICTURE ¥30,000 edition 10

Paul Smith SPACE GALLERY
2013年6月15日土曜日ー7月15日月曜日祝日
12:00-20:00水曜不定休
03-5766-1788
http://www.paulsmith.co.jp/paul-smith-world/exhibitions/old-letters-from-london/

PICTURE DIARY 1106TU2013

PD20130611s
梅雨らしい天気になる。雨が降れば太陽が恋しくなり、晴れが続けば雨粒がいとおしくなる。

PICTURE DIARY 1006MO2013

PD20130610s
画材屋さんに紙を何種類か持って来ていただく。もう大分以前のことになるが、ある紙と出会って、ぼくの作風に新しい要素が加わった。その紙はクレヨンの線などが素晴らしく良く滑り、とにかく描くのが楽しかった。しかし、ある時製造が中止の知らせがあり、輸入元に残っていたものを、許せる限り出来るだけ買い込んだが、2〜3年後には当然使い果たした。当時は楽観的に似たような使い勝手の良い紙が見付かるさ、と思っていろんな紙を試してみたがとんでもなかった。今日改めて持って来ていただいた何種類かの紙の中に、新たな素晴らしい出会いがあることを祈る。

PICTURE DIARY 0906SU2013

PD20130609s
原宿CULTuART by BEAMSにてWORKS OF POPHOLIC MAN川勝仕事展懇親会。川勝さんが亡くなって早二年。こうして川勝仕事の展覧を見、閲覧していると、改めて残念な気持ちがしてならない。真摯に同時代を語り、的確な言葉に出来る数少ない編集者の一人だし、本当の出番はこれからだと思うものだから。

PICTURE DIARY 0806SA2013

PD20130608s
朝のうちは天気良くなく、昼に近付くにつれて好天に変わる。波は大きく荒く、岩に当たって砕け、岩肌を小さな滝のように流れる。里海邸をモチーフとして、メディアとして考えた仕事について、滞在の印象や感想などを幅広く、雑感ではあるが石井氏と紅茶をいただきながら話す。夏の始まる前に絵を一枚描いてみることにする。

PICTURE DIARY 0706FR2013

PD20130607as
大洗の町に行く。たっぷりと豊かな朝食の後の散歩は楽しい。出来るだけ何も決めずに、気楽に滞在したいと思うので、仕事などの段取りは二の次にする。昼は石井氏にご紹介いただいた「NOUVEAU」でイタリアン、町の南の外れの小さなプールのあるレストランだが、確かに建物はイタリア風。道々今川焼などを買い食いする。大洗磯前神社にご挨拶する。里海邸の自分なりの見取図を作る。どこにどのような絵や作品があると楽しいのか、空と海と海岸は毎日、毎時表情が違う。そんな風に変幻する窓外の景色に呼応するような、時の流れのある絵や作品とは一体どのようなものであろうかと考える。邸内の食堂にはバッハの無伴奏チェロが流れている。夕食には地元産の岩がきや常磐牛のすき煮が出る。岩がきは一口では無理、天然の力。お腹一杯になるが料理が良いと消化も良い。

PICTURE DIARY 0606TH2013

PD20130606s
15時過ぎ大洗里海邸に着。2時間かからない。部屋は「曲松」。各部屋には地元の地名が付けられている。宿泊すると、撮影や打ち合わせの時とは違う表情が見えて来る。清潔な美しさに懐の温かみが加わる。大洗に揚がる魚介と地元周辺の野菜を使った料理は格別。器は全て笠間焼。夜になると、昼間のうちは空と海原だけを豪快に映していた窓ガラスが、漆黒の鏡となって室内を写す。夕方散歩した海岸の足元に広がるのは、数千年から一億年前の礫岩だと言う。信じられない程たくさんの種類と色調の丸い石から成る。丸い形状も様々で、見て飽くことがない、重ね石、見立て石。主の石井ご夫妻に迎えられてゆるりと過ごす。

PICTURE DIARY 0506WE2013

PD20130604s
昨日に続きサントリーホール。ウィーン少年合唱団のコンサート、まりおくんの晴れ姿、言わば凱旋公演である。日本ツアーは4分の3を消化したところ。休憩時間にロビーでばったりとゆきえちゃんに会うと、ステージ上のまりおの動作や仕草のひとつひとつが大丈夫かしら?と気になってしまって、とキラキラした瞳で照れたような笑顔の母親になる。終演後、ゆきえちゃんのご案内で、岡田美里さん、そしてTroll Beads Japanが主催するささやかだが心のこもったティーパーティーに参加する。まりおくんの生き生きとした一瞬を見逃さない美しいセンスの女性、ぼくにもTroll Beadsが似合いそう、とは美里さんのご感想。まりおくんは会う度に大きくなる。もっともっと大きくなる。

PICTURE DIARY 0406TU2013

PD20130605s
午前中から外出し、午後はミーティングの一日。夕方からサントリーホールへ。アンネ=ゾフィー・ムター バイオリン・リサイタル。少女の頃、皇帝カラヤンに導かれ、女王と呼ばれるようになった理由がすぐに解る。立ち姿、演奏、振る舞いのどこを取ってもそれを隠せるものではない。隠す訳も理由もあるものではないが、勿論特に女王然とした態度を見せようとする訳ではなく。赤いドレスが素晴らしい。黒い燕尾服のランバート・オルキスのピアノ伴奏の妙。出過ぎず引っ込み過ぎず、あらゆる点での絶妙なコントラスト。演奏曲目は以下の通り。モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ ト長調K.379。シューベルト:幻想曲ハ長調D.934。20分休憩。ルトスワフスキ:バルティータ。サン=サーンス:ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調Op.75。アンコールに3曲。ラヴェル:ハバネラ。マスネ:タイスの瞑想曲。ブラームス:ハンガリー舞曲第1番。全て圧倒的。

PICTURE DIARY 0306MO201

PD20130603ss
毎日色々なことはあるけれども、何も記せない日と言うのがあるものだ。と書きながら一日を思い出し始める。朝から原宿方面で打ち合わせ。自転車を走らすのが気持ち良い日だ。星のアトリエに昼過ぎに戻り、商業施設のロゴマークを仕上げる。後は事務的な仕事とアトリエ内のミーティング、電話やメール等での連絡業務で一日を終える。そうだ、しりあがりさんの関係する中津川での野外コンサートにOBANDOSの出演依頼がある。9月21日前夜祭、22日本番。メンバーのスケジュールが合えば出演。クラシックの名曲集を聴きながら夜を過ごす。

PICTURE DIARY 0206SU2013

PD20130602s
東京スカイツリー、「言ノ葉の灯」展、撤収作業をほんの申し訳程度だが手伝う。たくさんの入場者に皆喜ぶ。また来年も、と言っていただいて心から嬉しい。銀座山野楽器で、五味康祐氏の音楽についての随筆集拾い読み。言いたいことをずばりと書き表していて大変面白そうだ。吉田秀和氏のピアノ演奏を聞き比べの本、これも面白そう。面白そうだからと言って本ばかり買い込む訳には行かない。何しろ読書する時間が必要な訳だから。

PICTURE DIARY 0106SA2013

PD20130601s
夜、買い置いたまま見ていなかった「ながくつしたのピッピ」のDVDを見る。自分が本当の子供の頃に見たかったなと思う。ぼくがピッピの物語を読んだりTVで見たりしたのは、大分大きな子供になってからだ。今でも自分の中に子供の心があるとすれば、そこに届く。あるいはその扉が開く。ほんのりとした便りとなって。

PICTURE DIARY 3105FR2013

PD20130531s
開業以来一年振りに東京スカイツリーへ。午前9時に東京タワーからスカイツリーに放送用電波の発信移行のニュース。10時過ぎ、ソラマチ5階のスペース634へ。「言ノ葉の灯」展初日。300余張のすずも提灯に、それぞれ俳句や和歌が女流書家、山田遊美さんの書によって顕される。圧巻であり厳か。想いが灯と共に佇み、静けさの中に心の叫びが聴こえる。ソラマチの壁画も見て回ったが、色々な意味ですっかり馴染んでいる。多くの人々の中にあればこその作品だと思う。変化もまた良し。

PICTURE DIARY 3005TH2013

PD20130530s
以前から機会があったら訪ねて見ようと思っていた表通りの材木屋さんに行く。星のアトリエの出窓の部屋に机が欲しいと言うことになり、組み立て式の机の足は一対あるので、天板をと言うことになり早速行ってみた。材木置場の入口で「こんにちは!」と声を張ると、奥から親方らしい親爺が出て来た。訳を話すと、3×6のシナベニヤの20ミリ厚を指定のサイズに手際良く切ってくれた。最初は少し訝し気な表情であったのを、用件が伝わると「一枚、欲しいの?いいですよ」と笑顔で応えてくれた。馴染みのある職人の匂いがした。「また来ますよ!」と言うと、「どうぞ!」と言った。カットしてもらったシナベニヤを担いで帰った。思ったよりも軽かった。

PICTURE DIARY 2905WE2013

PD20130529s
PIPPALAで髪を切る。無精者で、とうに行かなければならない時期をかなり過ぎてやっと行く。行けば気持ちの良いものを、本来行くのが楽しみのはずなのに、天邪鬼。いつものミック・カット。これ以外はあり得ない、なぜならスタイルだから。しかし、毎回同じではない。季節やぼくの気分を汲んだアレンジが自然に入っている。PIPPALAの主、内田氏のカットは、ぼくにとってはポップでノーブル、独特の遊びとリズムにメロディがあり、柔らかな彫刻風音楽を想わせる。色々な、メディアやミュージック、ファッション、デザイン、アート等の世界の個性の強い顧客が多い。アシスタントは使わず一人でやっているので居心地が良く、他の客と出会うことはまず無いのも良い。内田氏の5匹のトイプードルの話しや、車のタイヤの交換の話題など。

PICTURE DIARY 2805TU2013

PD20130528s
今年は梅雨入りが早そうだ。朝から雨を含んだような雲が空を覆って、吹く風もだんだんに湿った匂いを運ぶようになる。夕方には少し降り始めて、いよいよ雨のシーズンの到来なのだろう。以前は多少の雨であれば、傘など持たず、ささずに徹したもので、それが気分も良かったものだが、昨今では濡れてはならぬ、と言うような雨の性質を感じて、とても寂しい気持ちになる。ジーン・ケリーの「雨に唄えば」は好きな映画だ。

NEWS-企業:産業資産のアート化計画

artgarden_flyer001
SUZUMO CHOCHIN MIC*ITAYA DESIGNシリーズがアート・ガーデンの企画展に参加させていただきます。展覧会は「企業:産業資産のアート化計画」と題され、B GALLERYで展覧会を開催したアーティストから、地方の産業や暮らしに深く関わって作品制作を行っている6名の作品とその活動を取り上げ、展示とトークを通して紹介されます。

日程:2013.06.08(土) ― 24(月) 11:00-18:00
場所:〒700-0031 岡山県岡山市北区富町1-8-6
お問合せ : 086-254-5559

【出展作家】
大和田良(写真家)
GABOMI(写真家)
渡辺洋一(写真家)
Mic*Itaya(ヴィジュアル・アーティスト)+鈴木茂兵衛商店
rabbit hole(デザイン・プロジェクト)
名和晃平(彫刻家)+SANDWICH PROJECT(トーク)

【トーク】
日程 : 2013.06.08(sat) 16:00-18:00 (入場無料)
参加者:
小倉正史(美術評論家)
伊丹裕(美術家)
能勢伊勢雄(写真家・展覧会企画)
藤木洋介(B GALLERY)

PICTURE DIARY 2705MO2013

PD20130527s
注文して、先日届いたバイクジャージをおろして打ち合わせに出た。心地好い。感じる空気や風がいとおしく、ペダルも軽い。いつも通る原宿方面への道、今日に限っては信号につかまりにくい。夢中になってペダルを回す程の体力も気力も持ち合わせないので、路肩付近を走る自転車乗り達の流れを乱さないように気を配りながら、これもまた、いつものようにのんびりと走る。

PICTURE DIARY 2605SU2013

PD20130526s
海に行く。気に入りのローカルな店が閉店し、もう一軒は跡形も無く、住宅の建築準備が進んで景色が変わった。お茶屋で休んで、窓の外の海を眺めていると、メモ帳を持っているのを思い出す。メモ帳と文庫本。海に来て、浜辺や近くの日陰などで読書するのは、素敵な時間で素敵な光景で素敵な気分だ。素敵なのだがしかし、海に行く時に本を持って行くには行くが、本があることを忘れてしまって、滅多に本を読むことはないということも思い出す。海に行って見るものと言ったら、活字より面白いものがたくさんあって、遊び疲れて、あっという間に夢の中に誘われて出かけてしまう。かなりの努力をしないとメモ帳に何も書くことは出来ない。小さなスケッチブック代わりでもあるメモ帳の、白い無罫のページには、海の白波が捉え切れない動く罫線となって、都市生活の残像を洗い流している。

NEWS-OLD LETTERS FROM LONDON

DMO_EX2013s

mic_dmo_s400
THE TIME IS INFINITE ¥27,000 edition 10

mic_dmo_m400
EVERYTHING WAS A PICTURE ¥30,000 edition 10

 

OLD LETTERS FROM LONDON
A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS
EXHIBITION IN JAPAN

ロンドンを中心に活動する、ステファン・ケニーの主宰する「A TWO PIPE PROBLEM LETTERPRESS」が、日本で初めての展覧会を開きます。活版印刷の芸術性の高さに未来を見ます。
合わせて、ステファンとミック・イタヤのコラボレーション作品の展示と販売もございます。

大阪
DMO ARTS
2013年5月29日水曜日ー6月11日火曜日
10:00-20:00年中無休
06-6485-7341
http://www.dmoarts.com/exhibition/2013/04/2902/

東京
Paul Smith SPACE GALLERY
2013年6月15日土曜日ー7月15日月曜日祝日
12:00-20:00水曜不定休
03-5766-1788
http://www.paulsmith.co.jp/paul-smith-world/paul-smith-space-gallery/old-letters-from-london/

ミック・イタヤ コメント
「THE TIME IS INFINITE/只今の時刻は無限」。「EVERYTHING WAS A PICTURE/全ては絵であった」。二つの言葉は、ぼくの詩の一節から選んだ。今を現して象徴的だと思うから。中国で木版が発明され、グーテンベルクの活版が出来た中世以来、印刷の技術によって言葉は多くの人々に届き、永遠の一部になった。印刷され定着した文字と言葉から、イメージが無限に広がり、具体的な絵を呼び覚ます。子供の落書きや神々が描き出すこの世界、永遠の絵。

PICTURE DIARY 2505SA2013

PD20130525s
ステファン・ケニーと言うロンドンの東、Walthamstawに拠点を置く、ウッドタイププリンティングの作家が大阪と東京で展覧会を開くのだが、そのステファンとのコラボレーション作品の制作をする。技法や素材についてなど大分考えたが、最終的には従来の一番自分らしいものを選ぶことになった。と言うのも、試してみたいやり方があって、やって見ると全然そぐわなかったのだ。新しい方法に取り組んで、全てがうまく行くことなどは希なこと。

PICTURE DIARY 2405FR2013

PD20130524s
明日朝からの作品制作のための準備をする。20点を一気に描く予定にしている。気力と体力を培った、充分な状態が必要。何よりも体からも、頭からも力を抜いたおおらかな心持ちにと思うのだが、全く正反対な自分が居る。作品の性質や題材、素材にもよるが、準備に時間をかけて描き始めれば、制作の時空間を完全に自分のものにする。筆の先から現れる永遠の今が定められるとき。

NEWS-言ノ葉の灯

20130527200019_00001s
言ノ葉の灯
スカイツリー文芸提灯展

2013年5月31日金曜日ー6月2日日曜日
東京スカイツリータウン
東京ソラマチ5階
スペース634
午前10時ー午後5時
入場無料
企画・運営 株式会社六曜社

火袋に俳句や短歌が書かれた、ミック・イタヤ デザインのSUZUMO CHOCHIN SWINGシリーズ300張が展覧されます。言葉と書と灯が美しい展覧会です。ぜひご覧ください。

http://www.tokyo-solamachi.jp/shop/286/index.html

PICTURE DIARY 2305TH2013

PD20130523s
完璧と思えるものに手を加えるのは難しい。手を加えてその完全性を凌駕する事が出来るものかどうか、やって見なければ解らない。手を加えることでお互いが交われば良いのだが、あるいは反発することになっても良いのだが。感じて気持ちの良いものであれば。赤と白を足してピンクになるか。黒と白を足してゴールドになるか。

PICTURE DIARY 2205WE2013

PD20130522s]
遊ぶように仕事をするのと、遊び半分で仕事をするのとは全く違う。遊びで仕事をする、と言うのも変。するべき事をするのが仕事。しなくてもよい事をするのが遊び。

PICTURE DIARY 2105TH2013

PD20130521s
自分にとって好ましいものと嫌だなと思うものを、すぐに判断して選り分ける。体のバランスと関係が深く、特に体の中に入って来る食べ物は、直接的な影響が大きいので、想像しただけで必要か不要かが判る。こんな時期は、出来るだけ全てを自然に任せて生活するようにする。自分を造り、確かめるためには、とても重要な期間になる。あらゆる情報や、五感に関する全てにおいて例外無く、偶然や必然の区別も無い。自分が欲し、必要であれば近付いて来るし、そうでなければ遠ざかる。まだ暫くはそんな日々。

PICTURE DIARY 2005MO2013

PD20130520s
仕事など思うようには運ばない風なので、休み休み進む。天気の影響は少なからず有り、雨模様であればそれなりの静かな気持ちで生活する。子供の頃、5月のこんな日には、どのように過ごしていただろうかと話す。覚えているものではないが、多分、絵本など見ながら空想し、ぼんやりと過ごしただろうか。ふと思い出したのは部屋の中でする野球があり、友達と座敷の柱を一塁、二塁のベースにし、丸めた靴下を拳で打って、立ち上がることはルール違反なので、常に立て膝か四つん這いのスタイルで、座敷を這いずり回るように遊んだこと。家の畳がささくれ立ったり、襖や障子の被害たるや。それなりに大人しい日も有り、騒がしい雨の日も有り。

PICTURE DIARY 1905SU2013

PD20130519s
下北沢GARDEN、OBANDOS出演。今年最初のライブステージ。安齋肇がステージから「明けましておめでとう!」と言って笑いを取る。その安齋肇のバンド、「フーレンズ」のCD発売記念ライブ。「フーレンズ」は微笑ましいハード・ロックンロール・バンド。演奏に安定感と余裕があり楽しい。笑いも取れる。アンコールのゲストに「スチャダラパー」の3人。他の出演は並外れた音圧のヘビーメタル・バンド「THE冠」。笑いも取れる。「ビアンコネロ」はコーラスやハーモニーの美しいアコースティック・グループ。笑いも取れる。今回OBANDOSはリハーサルをするスケジュールが無く、今日のGARDENでのサウンド・チェックと即興曲の1曲で。もともと全ての曲が即興演奏なので、ライブは即興を極めた感有り。まあ上出来なステージ。写真家の三浦憲治氏が演奏中の写真をバシバシ撮ってくれる様子が心地好く、演奏への気持ちに乗りがあった。三浦さんも今夜のメンバーの一員だ。40分、5曲の演奏。笑いも取れる。

PICTURE DIARY 1805SA2013

PD20130518s
広尾のF.O.B COOPへ。最近ご無沙汰していたので、思い立ち久し振りに行ってみる。ご主人のM女史がいらっしゃるので、珍しいなと思う。近況などお伺いする。APILCO社のカップ・アンド・ソーサー、ガラスのマグカップを求めて、ミルクティーと抹茶のチーズ・ケーキをいただく。APILCO社の製品やミルクティーをサーブする器との出会いなどの話を聞かせていただく。F.O.Bには、ただ商品だけが並んでいるのではないことを、改めて知る。短いが豊かな時間を過ごす。白金のCoolie’s Creekへ、飾られている絵を見に行く。勿体無くも清志郎さんの絵のお隣に架けてある。

PICTURE DIARY 1705FR2013

PD20130517s
水戸、鈴木茂兵衛商店へ、提灯ミーティング。大洗、里海邸へ。ご主人の石井氏の話を聞く。水戸の家に40年振りに帰る。ぼくの生まれた家。現在は妹夫婦が住むが、家や敷地が記憶よりも一回り小さく感じる。ぼくら三兄妹は三人共この地でお産婆さんの世話になった。妹と二人でこの家に居るのはいつ以来のことになるだろう。少年時代を過ごした家に昔の面影を探して、それでいて出来るだけ見つけ出さないようにと15分程の滞在をした。妹の愛するネコたちに挨拶。

PICTURE DIARY 1605TH2013

PD2013516s
渋谷PARCO PART1パルコミュージアムで、安齋肇還暦博覧会、プレビューパーティー。大盛会。久し振りに会う友人、知人多く、皆、肥ったか痩せたかどちらかな感じ。今年還暦、来年還暦の話題、とても目が回る。安齋肇と初めて会ったのは、表参道の同潤会アパート近くの建物の1階にあった喫茶店だった。東京の出身だが、暖かい気候の生まれ育ちな空気感で、色白の夜行性の、昼間会うと眠たそうな、雰囲気が少しPLASTICSの中西俊夫に似ているな、と思ったことを覚えている。カセット・マガジンTRAを創刊準備していた時期で、ALTERNATIVE FASHION WORLDと言う、TRA PROJECTの前段になるパフォーマンス・イベントの打ち合わせだったと思う。多分1980年頃のことで、あの日から30年以上の付き合いが続いている。19日には安齋肇のバンド、フーレンズのライブに、OBANDOSとしてゲスト出演し、同じステージに立つことが今更ながらとても面白い。

PICTURE DIARY 1505WE2013

PD20130515s
ショーツに流れ星を描く作業終了。最初は1本あたり3時間半程もかかっていたが、最後の1本などは、2時間を切るスピードで完成するようになった。探り探り、試行錯誤をしながら、手描き作業は単純なのでコツや手順をつかんで早くなる。やっと馴れた頃に終了という訳か。しかし、このまま続けるとしたら、一体どこまで時間を短縮出来ることだろう。

PICTURE DIARY 1405WE2013

PD20130514s
「美しい」とは心から素直に感じることであり、無理に言葉にするべきことではない。

PICTURE DIARY 1305MO2013

PD20130513s
BLM*、BEAMS LIGHTS withMIC*ITAYAのショーツに流れ星をハンド・ライティングする。何とか1日に1本の作業。あと残り3本。福助×moretreesの総柄プリント靴下のデザイン、色を入れてフィニッシュ。紳士用としてはなかなか見当たらない柄。秋の草原に咲くコスモスの花と妖精。裸足の気持ち。足の裏に秋草が気持ちの良いような。

PICTURE DIARY 1205SU2013

PD20130512s
母に感謝の日。星のアトリエの裏手の木が芽吹いて、大好きな芳香を漂わせている。パラパラと雨の降りだしたような音を立てるので、あれ?と思い、窓の外を見ると、白い小さな花が屋根に当たる音。香りが風に乗ってアトリエの中を吹き抜けて。昼頃、点検とタイヤの交換のために車を取りに来るが、代車が少しヤンチャな感じで面白い。代車にどんな車が来るのかいつも楽しみにしているのだが、今回も期待を裏切らず。2、3日のことなので、それに車で出掛ける用事もあまり無さそうなので、残念なような、安心するような。グランド・ピアノがやって来る。うやうやしく3人の屈強な男衆に伴われて。星のアトリエの中心に置く。星のアトリエは洋風の建物なので大黒柱が無く、グランド・ピアノが大黒柱、ヘソになった。この優美な、それでいて頑強な黒いオブジェの内には、星の数ほどの美しさが潜んでいて、呼び起こす人によって、変幻自在に現れたり、消えたりする。

PICTURE DIARY 1105SA2013

PD20130511s
銀座三越さんで母の日のイベント。Mother’s Day Childrenと題して、ハンドミラーをお買い上げのお客様方に、サインやドローイングのサービスをする。14時から18時まで。雨の中、足を運んでくださったお客様方への感謝と共に、スタッフの皆さんと、より仲良くなれたのが嬉しい。銀座三越さんの社員専用サロンに案内していただいて、皆が思い思いに休憩する自由な風景にホッとした。今日の機会をありがとう。

PICTURE DIARY 1005FR2013

PD20130510s
風やや強く、にわか雨のように雨の降り出す。大分暖かくなって、自転車で走ると気持ち良いが、自転車を降りると汗がにじむ。星のアトリエに生い茂る笹が風に歌い、サラサラと空気を洗う。たまった仕事を少しずつ片付ける。

PICTURE DIARY 0905TH2013

PD20130509s
滝へ行く。水は少ない。岩の上で呼吸する。新しいRASCALへ行く。シロタご夫妻が迎えてくれる。食事はステーキ・アンド・フリットの一品のみ。フランス風。ロック・バーとして1975年から続く店の40年目の引っ越し。店の内外装はセージさんとシロタさんの仕事。流石。万平ホテルでくつろいでいると、多分イギリス人のツアー客ご一行、ジョン・レノンとオノ・ヨーコのゆかりの地を訪ねて、的な匂い。みんな揃ってジョン・レノンの愛したと言うホテル特製ロイヤル・ミルク・ティーを飲んでいて可愛い。RASCALもジョン・レノン、オノ・ヨーコゆかりの店だ。ショーンくんの子育てで音楽活動を休止していたジョンさんは、ヨーコさんショーンくんとRASCALに来ると、絶対に店の中には入らなかったそうだ。ヨーコさんがお茶を飲む間、いつもショーンくんと店の前で遊んでいたと言う。RASCALではいつもロックがかかっていたから。公園に毛布を敷いて昼寝する。日が暮れたので帰る。

PICTURE DIARY 0805WE2013

PD20130508s
森へ。休める日。森はどこも芽吹きの時。枝のあちらこちらに若い緑が顔を出している。冬の間に折れた枝が木に引っかかって、緑と枯れ枝とのコントラスト。新緑と枯れ枝、新芽と朽ちかけた落葉の匂いが混在する森の春。

PICTURE DIARY 0705TU2013

PD20130507s
それぞれの連休が明けて、星のアトリエのスタッフは皆元気。静かに張り切っている。嬉しい。

PICTURE DIARY 0605MO2013

PD20130506s
花代ちゃんとはもう本当に古くからの知り合いで、20年以上にはなる。花代ちゃんが花柳界に身を置き、旋風を巻き起こすずっと以前から。その花代ちゃんがベルリンに暮らした15年に及ぶ日々の断片的な写真を「ベルリン」と言う写真集にして出版、その記念展が開かれていた。恵比寿のNADiff APARTで展覧会の最終日、クロージング・パーティが行われた。トークショーのあと、ベルリンで共に暮らし、今は離れているが、今回の出版のために来日中のステイブ氏、そして母である花代ちゃんと、日本で共に生活をする愛娘の点子さんの3人で、ライブ・パフォーマンスがあった。歌と踊りと演奏の。それはそれは何とも言えない面白さ。ベルリンでの3人の生活を再現した、簡素だけれど大切なものを分けていただいた小さなステージ。お嬢さんの点子さんは、異次元の存在感を持つ美人、メルヒェンの森の、妖精の司る何かを宿すようだ。花代ちゃんはぼくの知っている娘の時代から、どこかキラキラとした夢見がちな女性だったけど、今夜改めて、何もあの頃と変わることの無い、ふんわりとした軽い宇宙船が軟着陸するように、乙女の夢を実現する力強さのある女性と思い知った。今度、一緒にお散歩しようね、と約束している。5月5日の子供の日には菖蒲湯に入る。一日過ぎて今夜は水仙湯に入る。美しい大人の日と勝手に決めて。

NEWS-Mother's Day Event

NEWS_HMs

ミック・イタヤ ミラーズ スペシャルイベント

5月11日 土曜日 14:00ー18:00
銀座三越地下1階 銀座スタイル ビューティセレクト クレ・ デュ・ボヌール内にてミック・イタヤ ミラーズをお買い上げの方を対象にミック・イタヤ氏のサインイベントを開催いたします。ぜひ、この機会にお気に入りのミラーズを見つけて思い出に残る一枚にしてみませんか。

お問合せ:銀座三越 地下1階 銀座スタイル
ビューティセレクト クレ・ デュ・ボヌール TEL:03-3535-9353 直通

PICTURE DIARY 0505SU2013

PD20130505s
ラ・フォル・ジュルネ3日目。10時55分よみうりホール。レジス・バスキエのバイオリンとアンヌ・フェレックのピアノで、フォーレの「バイオリン・ソナタ第1番イ長調op.13」とサン=サーンスの「バイオリン・ソナタ第1番二短調op.75」。師弟関係だったフォーレとサン=サーンスのバイオリン・ソナタ、聴き比べてみる。その違いこそが二人の友情を育んだ原点なのだと感じるステージ。MONTBLANCで万年筆を買う。以前に住んだ家の節穴から、するりと床下の奈落に消えて行方知れずに。その家の宝として預け置く結果となり、今回は二代目となる。資生堂でSEAGE LUTENSのパルファムを楽しむ。帝国ホテル、THE IMPERIAL LOUNGE AQUAで紅茶とサンドイッチ。夕刻の皇居の森を見ながら。デュリュフレ「グレゴリオ聖歌による4つのモテットop.10」、そしてフォーレ「レクイエムop.48/1893年版」、アンコールにグノー「十字架上のキリストの7つの言葉」から「Peter,in manvs tuas」。シルヴィ・ヴェルメイユ、ソプラノ。ジャン=リュック・ウォーブル、バリトン。ローザンヌ声楽アンサンブル。シンフォニア・ヴァルソヴィア。指揮、ミシェル・コルボ。指揮が素晴らしい、人の歌声の魅力、力を充分に引き出し、空間を満たした。フォーレのレクイエムを生で聴くのは初めてだ。夜、ファイナル・コンサート、題して「パリの花火」。ラ・フォル・ジュルネを締めくくるガラ・コンサート風。フェイサル・カルイの指揮によるラムルー管弦楽団のオーケストレーションで、サラサーテのために作曲されたサン=サーンスの「序奏とロンド・カプリチオーゾop.28」、バイオリンはファニー・クラマジラン、一輪の花のように可憐な、しなやかな1984年パリ生まれ。続くカニサレスのギターは孤高の響きを持ち、思わず固唾を飲む、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」。さらに「ボレロ」再び、小太鼓が主役の曲なのだと気付く、オーケストラ全体が華麗にスウィングする。引き続き、ヒメネスによるカスタネットとオーケストラのための「ルイス・アロンソの結婚式」より間奏曲、ルセロ・テナのカスタネット再び。カスタネットから繰り出されるパンチの効いた「メッセージ」は心地好く、強く、柔らかく、聴衆をノックアウトする。アンコールにはビゼーの「カルメンより前奏曲」、ルセロ・テナのカスタネット。そしてまたカスタネット。さらにカスタネット。素晴らしい3日間から去りがたく、拍手とオーケストラの足踏みと、幾重にも重なったブラボーと笑顔が東京国際フォーラムのホール全体を包み込んだ。帝国ホテル、THE RENDEZ-VOUS LOUNGEで鎮魂、帰途。

PICTURE DIARY 0405SA2013

PD20130504s
全くもって良い天気に恵まれる。東京国際フォーラム、ラ・フォル・ジュルネ、昨日に続き。4つの演目を観る、聴く。サティの「ジムノペディ」、ドビュッシーの編曲によるオーケストラ・バージョン。サティは良い友を得た。ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」、本当にファンタジック、エロチック。サン=サーンスの「ピアノ協奏曲第2番ト短調op.22」、古典的構成美。ヒメネス、「ルイス・アロンソの結婚式より間奏曲」、ルセロ・テナの超絶的なカスタネット。ラテンな明るさとスタイルの見事なこと、微笑みがこぼれる。3曲共にラムルー管弦楽団、指揮はフェイサル・カルイ。本当にふわりとした軽やかでフランスやパリのエレガンスが漂う演奏。ブーレーズの6つの楽器のための「デリーヴ1」、スザンナ・マルッキの指揮がきびっとして良い。ドビュッシー、「フルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ」。ソナタ形式の曲の極み。ミュライユの「セレンティブ」。セレンティブとはセイロン島のこと。見事な描写力で現代音楽に
ありがちな難解なものではなくて楽しめた。セレンティビティ、まさに探し物をしている時に、別の価値ある物を見つけた感じ。若いピアニスト、ジャン=フレデリック・ヌーブルジェの「ラ・ヴァルス」、ラヴェルの社交界への挨拶とも言うべき夢や幻のようなきらびやか。フランクの「ピアノ五重奏曲へ短調」、同世代の男たちのモディリアーニ弦楽四重奏団との共演で、ヌーブルジェもこちらの方がソロ・ピアノの時よりも生き生きとしていた。デュカスの交響詩、「魔法使いの弟子」、ディズニーのアニメーション映画、ファンタジアで使用されて有名になった曲。ラヴェルの「左手のための協奏曲」。ピアノはボリス・ベレゾフスキー、力感とロマンチシズムを合わせ持つ、柔軟で骨太、それでいてデリケート。ラヴェルの「ボレロ」、ポーランドのアーティスト、マリウシュ・ヴィルチンスキのライブ・ドローイングと共に。ライブで絵を描くことについて考えさせられた。音楽は勿論素晴らしい、ライブでのアニメーション・タッチの絵の表現も素晴らしく、面白いが、果たして両立していると言えるのだろうか。両方が人々に届き切らずに、断片的な、空虚な部分を生みながら進行するステージだったように感じる。音と絵をライブで調和させ、共存させるのは難しい。特に両者の個性やレベルが高い場合はなおさらに。ボレロと言う曲調曲想は主題が単純明快で魅力的だが、それだけにオーケストレーションの記憶が薄くなってしまう。スクリーンに映し出される絵に気を取られてしまう。オーケストラは濃く強いポーランドの血を感じさせる、シンフォニア・ヴァルソヴィア、ポーランドの楽団。指揮はジャン=ジャック・カントロフ、グールドに絶賛されたバイオリニスト。今日は一日旅行者の気持ちになった、あまりに良い天気で。

PICTURE DIARY 0305FR2013

PD20130503s
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013。昼、東京国際フォーラム、ホールAでラムルー管弦楽団。フェイサル・カルイ指揮「パリは踊る」と題するコンサートを聴く、観る。「亡き王女のためのパヴァーヌ」ラヴェル、「交響詩 死の舞踏op.40」サン=サーンス、「ラ・ヴァルス」ラヴェル、「ボレロ」ラヴェル。アンコールに「カルメン前奏曲」ビゼー。それぞれ舞踊をイメージして作曲された曲で構成されたプログラム。ベラスケスの絵にインスパイアされ、パヴァーヌを踊る幼い王女をイメージした「亡き王女のためのパヴァーヌ」。真夜中に死神の奏でるバイオリンに合わせて死者たちが踊り出す「死の舞踏」。ウインナ・ワルツをモチーフに雲の上から煌めくシャンデリアの下を優雅に旋回するヨーロッパの貴族社会を、敬愛を持って映し出す「ラ・ヴァルス」。スター・ダンサー、イダ・ルビンシテインの依頼で作曲し、2つのメロディだけで成立させた、言わば実験音楽のような「ボレロ」。楽器のソロパートが次から次へと回されて、徐々に盛り上がる、現代ではお馴染みの曲ではあるが、ラムルー管弦楽団は「ボレロ」を初演した楽団であり、フランスの、フランス人の伝統とでも言うような演奏の個性や雰囲気を、充分に感じ取ることが出来たと思う。美しく踊りながら散歩する、歩みの楽しみがある音楽。大好きな「ボレロ」の淡々としたうねりが洒落て洗練された演奏で顕されている。指揮のフェイサル・カルイは、各楽器のソロパートでは一切体を動かさず、指揮者の動きを見せない。そんなところも好きだ。夕方、教会で、あまりに美しい讃美歌を、感謝を込めて聴く。

PICTURE DIARY 0205TH2013

Pd20130502s
自転車に乗って走ると、少し肌寒い風を感じる。星のアトリエにグランドピアノがやって来ることになった。嬉しく、待ち遠しい。大体の置場所は決めたが、大きく、重量もあるものなので床板がもつかどうか。アトリエと相談しながら決める。掃除と模様替えもしなくちゃ。風を感じて、音に乗って走る季節の始まり。

NEWS Mother's Day Event

DVC00060.JPG
ミック・イタヤ ミラーズ
スペシャルイベント

5月11日 土曜日 14:00ー18:00
銀座三越地下1階 銀座スタイル ビューティセレクト クレ・ デュ・ボヌール内にてミック・イタヤ ミラーズをお買い上げの方を対象にミック・イタヤ氏のサインイベントを開催いたします。ぜひ、この機会にお気に入りのミラーズを見つけて思い出に残る一枚にしてみませんか。

————————–
★ミック・イタヤ ミラーズ 特集
5月8日 水曜日 ー 12日 日曜日
ミラーズはすべてハンドメイドの鏡作品です。ガラス職人によって一枚ずつ細かい砂を鏡の表面に吹きつける技法サンドブラストで彫刻されています。
”MADE IN JAPAN”の作品として日本の手仕事の美しさをお届けします。
————————–
お問合せ:銀座三越 地下1階 銀座スタイル ビューティセレクト クレ・ デュ・ボヌール TEL:03-3535-9353 (直通)