PICTURE DIARY 0512TH2013

PD20131205s
やられた!自転車盗まれた!夕方の商店街で。煎餅を買うほんの1分程の間に。買う物は決まっていたので、店先に停めて鍵を掛けずにいた。油断した。店の女店員も驚いて「あらまあ!いやだよー!」と交番に行くようにすすめる。明日出かけるところがあるので、その手土産の菓子も買おうと思い、閉店近い時間でもあり、何よりも気を鎮めたかったので、商店街の外れの方にある洋菓子屋に向かい歩き始めた。愛用の自転車とのこの10年以上になる付き合いを思い出し、悔しさと怒りと諦めの気持ちなどが渦巻くようで、道すがら左右に並ぶ自転車の中に自分の自転車が見当たりはしないかとぼんやり目をやりながら歩いた。洋菓子店で焼菓子を買って「カードは使えますか?」と尋ねると「5000円からになります」と言われ、星のアトリエ用に小さな箱入のものを合わせて買った。流れと状況に逆らわず素直に従う。今日ここで自転車が無くなるのも何かの意味のあることなのだろうかと思う。駅前の交番まで、通り過ぎる自転車や、あちらこちらに停めてある自転車を見ながら交番に着く。お巡りさんが一人、若い女性に対応中で、暫く手が空くのを待つ。若い女性が出て行ったところで「商店街の煎餅屋の前で自転車を盗まれた」と言うと、「鍵は掛けなかったの?」とお巡りさん。「ほんの少しの間だったので」など、妙に言い訳めいた自分の言葉に自分でうんざりしたところで交番の電話が鳴る。ちょっとすまんと手と目で合図して、お巡りさんが電話に出る。夕方から夜にかけての交番は忙しいらしく、今度は公務用と思われる携帯が胸のポケット辺りで鳴り始める。合間に、「いつ盗まれた?」、「近くを良く探しましたか?」と忙しい中に落ち着いた調子で尋ねる。「とにかく近くを良く探してみて、それでらちがあかなかったらまた来てください」と淡々と、しかし強い目付きで言う。その時、あ、見付けることが出来るな感じた。「探してみます、ありがとう」まだ携帯電話を持ち、電話するお巡りさんを後にして煎餅屋の前に戻り、ゆっくりと停めてある自転車を見ながら歩き始める。最初の右手の路地を見ると、ところどころ街灯に照らされた狭い道の左右に、ずっと奥の方まで自転車が点在しているのが見える。多分ここに在るだろう、と思い歩を進めると煎餅屋からは100メートル程のアパートのブロック塀にぼくの自転車が立て掛けてある。まるで自分がそこに停めていたように。ハンドルを握ると商店街の通りとは反対の、路地の奥へと押して歩き始めた。少し広い通りに出ると、自転車に乗って走る。いつものぼくの自転車。

One Comment

  1. かとびい より:

    ドラマですねえ。

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