PICTURE DIARY 1702FR2017
春一番吹く。ここのところ毎日、赤いつなぎを着て絵を描く。気持ちが明るくなり暖かい。静かな佇まいだけれど温度の高い、きりりと清々しい、そういう絵を描く。
春一番吹く。ここのところ毎日、赤いつなぎを着て絵を描く。気持ちが明るくなり暖かい。静かな佇まいだけれど温度の高い、きりりと清々しい、そういう絵を描く。
渋谷ヒカリエ、BEAMS LIGHTSでのストアイベント搬入。BLM*の春夏物が揃って、気持ちは春。スタッフの皆が後押ししてくれている。
雨樋を修理するので頭領と相談。近頃は行く先々で家、建物の雨樋が気になる。今日も用事があって立ち寄った工場の隣が、住居にしている古民家で、親爺に訊ねると百年位経つという。庇や軒に取り回し、きっちりと巡らし取り付けられた銅葺きの立派な雨樋は、緑青に被われて美しい。いい樋ですねぇ、何年経ちましたか?と聞くと、二十年位との答え。最初はピカピカで、緑青が落ち着くのに二〜三年かかると教えてくれた。ピカピカから緑青への経過が楽しみだろう。しかし、ちょっと高い。親爺は銅葺きが良い、何十年も持つと薦める。修理の箇所など考えると古い家の外に面した道路沿いの雨樋だけがピカピカしているのもな、と思う。今時はブリキのものはあつらえなければならないし、塗装の必要もあり、もっと高い。ここは知恵の使いどころ。
水戸へ。茨城デザイン振興協議会の主催する講演会、高校時代に出会った協議会理事、グラフィックデザイナー、美術家の西成田育男氏と。生まれた街、水戸で今日のような機会を得たことに感謝する。僕の脈絡のない話を上手くまとめていただいてかたじけない。
線に勢いを与えずに刻むように描く。溜めの線。線の種類は色彩ほどもある。行先の明白な速度を持つ線ではなくて、一歩一歩確かめるような線。明日の講演会、座談のための資料を用意する。ご一緒をお願いした西成田氏とは、あまり何も決めずに進めたい。レジメだけ認識して、おもむくままに話したい。自分の中に潜む、自分も言葉として知らなかった自分を見聞きしたい。たとえ取り留めがなくても。
初午。庭に小さな祠があり、お稲荷さんを祀る。行きつけの蕎麦屋の隣にパン屋が店開きした。絵を2枚描くが、1本の線の有る無しではたと仕事をとめる。構想の段階で持った印象と、実際に描き進めた雰囲気に相違はないが、描き込む絵ではないだけに、一筆が持つ意味は大きい。芸術と意匠が融合し和する、そのような白でも黒でもない広大な空間の中に、1本の線が平面を分かち、統べる力を見て、なおさら緩やかにのんびりとした絵に仕上げるには極力少ない手数を見極める。
古代人が描くような絵。自分自身に内在する原始の記憶を呼び覚ます。空を見上げた時に感じる空漠とした懐かしさ、風が運ぶ微かな息吹、鳥の声、眠る猫、口に含んだ途端に判る風土、心が求めている、体が求めている和かな符丁。
ちいさなロックの館、Smell Barでミック・イタヤの主催するDJの夜第2回です。
星のアトリエで聴いてきた曲、聴かれている曲の数々をお届けいたします。
ぜひ遊びに来てください。
http://www.smell-bar.com
地球、この小さな美しい星。この頃毎日よく考える、この惑星のことを。僕らを乗せて回転している、全宇宙が。僕らの内、外を問わずそれぞれの速度で。螺旋や渦巻きの痕跡やサインは当然のこと。世界各地に伝わり、遺されている文様には必ず見られる。
初期の資料を収めたポートフォリオの中から、多摩美時代の課題で制作した作品などを取り出す。改めて見ると、かなり生真面目に描いているようでくすぐったい。中村のんさんの依頼で、のんさんのブログにアップロードするリレーエッセイ用に。今日の気付きと感想、僕にとって”戻る”というのは本当に厄介。帰るとか引き返すとかとは微妙に性質を異にする意味合いがある。かなり慎重に、思慮と注意が必要なことだと痛感する。この宇宙には過去も現在も未来も同時に存在する。
毎シーズン手作りしているBEAMS LIGHTS with MIC*ITAYAの小冊子、第11号限定43部を作りサインとエディションナンバーを入れる。ストアーイベントでBLM*のコレクションご購入の方々にプレゼントする。いつもそのシーズンのテーマとマインドを、絵と言葉で組み立てたストーリーブックを用意している。カタログではなく、小冊子自体がトータルな表現の一環としてとても重要なポジションだ。LIGHTSを手伝い、服作りを始めて5年になる。やはり10年かかるな。
仕事の途切れる間合いがつかめず、外に出そびれる。今日は眠いので、昼寝などする。
今日もスケッチ、スケッチ、とにかくスケッチ。昨日描いたロゴマークの修正をする。一晩経つと欠点が見える。星のアトリエの紅白の梅の蕾も大分膨らんだ。昨日は番の鶯がやって来て、手水の水を飲む姿があった。寒さ本番、やがて春。夕食に少しの梅酒を楽しんだ。
とにかくスケッチを描く。少ない線で。夕方小さなスケッチ用のノートを持って、久し振りの雨の中、蕎麦屋に出かけるが、せいろが目の前に出て来るまでに4枚描いた。少しでも歩いたり動いたりすると巡る。星のアトリエに戻り明日締切のロゴマークにレタッチを入れる。手描きに限る。気持ちが有機的な線に乗って、仕事の命を永遠の物にする。
土曜日が好き、明日は日曜日だから。週のうち一番ゆっくりとした気持ちになる。しかし、1月下旬から外に出る機会が多く、作品制作の予定が大幅に遅れている。どのように取り戻すのかお手並み拝見。土曜、日曜は星のアトリエにおこもりだ。楽しみな仕事に苦はないが、休憩したり食事をしたりがお座なりになりがち。体をほぐしたり散歩に出たりを意識しないと。心地好い集中の世界から出るのは難しい。それもこれも全てが表現だ。
節分。豆まきをする。鬼は外福は内。子供の時から毎年必ずして来たことのうちのひとつ。鬼の面は作りこそしなかったが、イメージの鬼面を虚空に描き、豆まきしながら自分の中から小鬼を追い出す。なぜだか矢印の形の尻尾が生えたやつ。泣き笑いながら走り去るがどこへ向かうのだろう。それなりに小鬼の気が休まるところがあるのだとしたら。しかし言い置こう、誰に取り付くでもなく頼るでもなく修養するように。
人同士は会って話すに越したことはない。一昨日、仕事の進め方について、電話で話し腑に落ちない印象があったので、思い切って訪ね話してみると、電話口ではオープンに話せない事情があったということを知る。お互いに奇妙な誤解や悔恨を残したまま日々を過ごすことにならずに良かった。
渡りに船というのは必ずしも良いこととは限らない。ただの御都合主義に陥ることも多々あるので注意。
午後、体を整え仕事をする。絵のためのスケッチ、2〜3日寝かせておくと、どうすればより良いか、見えなかった部分が見えて来る。そんな箇所が無くなるまでにどれ程の時間が必要だろうか。気合もろともそんなことは構わない、という気迫の仕事もいい。心身を整えると、気迫などと力まなくても仕事に間が生まれて、完璧一歩出前の寸止めな作品が生まれる。好きだし一番いい。
2017年2月17日 金曜日ー26日 日曜日の1週間、ビームスライツ渋谷店、神戸店にて2017SSラインナップを中心に、BLM*ミック・イタヤのポップアップストアがオープンいたします。イタヤ来店日には、MIC*ITAYAのアイテムをご購入のお客様のお買上げ商品、またはハガキサイズのカードにその場で絵を描いてプレゼントします。ご希望のお客様にはチェキでイタヤとの記念写真の撮影も承ります。この機会にぜひ足をお運びください。
★イタヤ来店日
2月18日 土曜日 14:00-18:00 ビームス ライツ 渋谷店/渋谷ヒカリエ4F
2月25日 土曜日 14:00-18:00 ビームス ライツ 神戸店/ミント神戸4F
PRESENT
BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYAの商品、MIC*ITAYAの作品をお買上げのお客様に、2017SSストーリーブックをプレゼントします。サインとエディションナンバー入り。先着順ですので無くなり次第終了します。
● MORE INFORMATION http://www.beams.co.jp/news/277/
BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYA 2017 SS COLLECTION
● BEAMS ONLINEへはこちらから
Power Of Beauty新年会。星のアトリエにて、夕方から日本酒と寿司で。とは言え僕はほとんど呑めないので酒は皆に任す。一口いただいた「阿佐緒」は本当に美味い。寿司は魚屋から。美味いものを食べて呑んで笑顔と笑い声と。短い時間だが今年もよろしくと。
サン・サーンスのピアノ曲をサン・サーンスのピアノで。ドビュッシーのピアノ曲をドビュッシーのピアノで。荒々しい美。お鈴の儀、天上から降る鈴の音、根源の音に洗われる。清清する。
年若い同朋のブランドのために商標をデザインする。絵の中に文字が組み込まれ、一体化したアプローチは得意とするところ。祈る女性の絵をベースにデザインするのだが、合わせた手の位置で意味が大きく変わる。顔の前、顎のした、喉元、胸。さてどうする。
溝口肇、鈴木大介コンサート、五反田、G CALL SALON。二人の共演は初めてだという。チェロとギターの軽妙であり深遠な音像。会場でピアニスト、谷川公子さんと久し振りの邂逅。ご主人でギタリストの渡辺香津美さんとのユニット、CASTLE IN THE AIRジャケットデザインのとき以来。いつもにこやかで暖かい。ジャケットのデザインは、海外で好評なのよと喜んでくれる。
寺の庭には銀杏の大木があり、数メートル頭上の、何本にも枝分かれした枝と太い幹との間には、何種類もの植物が育っている。幹に近付いて思わず手を当てると、ほんのり暖かい。生きている。
今野絢さん展覧会、銀座綿半ギャラリー最終日。縄文文化にインスパイアされた抽象。明るく朗々とおおらか。縄文土器は女たちが作ったと言われているが、縄文の文様や形は土を捏ねる手の赴くまま、導かれるままに形作られたらしい。やはり土の中に形が埋まっていたということ。そのように絵も描きたい。
全ての仕事というものは、自然の摂理に寄り添うものと心得る。
茨城県水戸市 文化デザイナー学院にて、ミック・イタヤとアートディレクター西成田育男氏の講演会が開催されます。デザインワークや作品を紹介しながら、デザインとダブローの関係やヴィジュアルアートの可能性、そして地域の特性を生かしたデザインワークについて対談いたします。
入場無料、お申し込み不要で、どなたでも参加可能です。ぜひご参加ください。
日 程:2017年2月14日[火]
16:30開場 /17:00開演 入場無料
会 場:文化デザイナー学院6階講義室
〒310-0026 茨城県水戸市泉町1-3-22
主 催:茨城デザイン振興協議会 / 専門学校文化デザイナー学院
問い合わせ:茨城デザイン振興協議会029-293-6363
専門学校文化デザイナー学院029-303-1010
江國香織さん、森雪之丞さん新作連弾詩集発売記念朗読会「扉のかたちをした闇」、日本橋三井ホール。舞台としての詩の朗読、演劇の一歩手前、あるいは一歩先の試みと映る。共演者は神木隆之介、加藤貴子、演奏、園田涼の各氏。江國さん雪之丞さんの紡ぎ出す言葉は、確かに開け放した門の扉の向こう奥深くから聞こえる音だ。あるいは門の扉に押し付けられた耳。
今日出来ること、いろいろなしたいことはあるが、しないことにする。間に合う、あるいは間に合わないという言葉があるが、その言葉の通り、間に合うこと間に合わないことが歴然とある。人の行為や意志としてその時選べることはひとつきりだが、生き物として感じ、意識的無意識的に選んでいることは重層的だ。
Smell BarにてDJ。オーナーのゴエモンとは知り合って40年近くになる。いまだに今夜のように、知り合った頃と同じ気分で真剣に遊べる友。月に1回は「MUMIC」をやろうぜ、と盛り上がる。助手AはDJデビュー、工夫のある選曲で聴き応えがあり楽しめた。
出張。車走らす。本格的な雪にならずに良かった。夕食は幼稚園、小学校、中学校、高校と、同じ学校に通った仲間とその仲間のひとりがオーナーシェフをする店で。痛いし痒いし、くすぐったい昔話に大笑いのひととき。得難い友の暖かい心に触れる。
D.B.の肖像を描きあげる。1978年に描いてから39年後の2作目になる。明後日のMUMIC、smell barに飾る。
いくつかの用件があり、自由が丘の街を歩くが、この街も変化するのが早い。店や建物が泡のように現れては泡のように消える。そんな様子に情緒は無い。しかし変化は当たり前のこと、不意をつかれるのが困りもの。
寒い日が続きいかにも冬。
佐久間さん命日。五反田の小さなロックバーで偲ぶ会がある。佐久間さんらしい不思議な空気の満ちたひととき。アトリエの隣家に続く塀の上で猫が出合い、抜き差しならない状態になっている。竹薮の向こうで声は聞こえるのだが姿は見えない。そこにもう一匹の大きな茶色の虎猫がやって来て竹薮の奥を覗き込んでいる。どうやら塀の上を通り抜けたいらしいのだが、取り込み中なので待つことにしたようす。2〜30分経っただろうか、どうしたかと窓からそっと伺き見ると、まだいさかいの鳴き声は続き、茶色の虎猫は塀の上に座り込んで根気強く待っている。それにしてもそろそろ諦めたのか、反対方向へ歩きかけたとき、竹薮からこれもまた大きな黒猫が出て来た。黒猫が茶色の虎猫を確認し竹薮に戻りかけ、茶色の虎猫が黒猫に気付いたかと見えた瞬間、茶色の虎猫は戻りかけた黒猫の背後から飛び掛かり、2匹とも塀の向こうの竹薮の下へ転げるように落ちて行った。新たに縄張り争いの声が続く。
マップケースの中を片付ける。気持ちとコンディションが整えば、いくつかのデザインのためのスケッチと新しい絵を描く予定だったが、用紙のことなど気になることを捨て置けず気を散らす。集中と拡散を繰り返して焦点を合わせる。夜になり来週必要なものが出て、画材屋に出掛ける。何かを片付け整えることは自分を整えること。
昼過ぎ雪がちらつく。意志を持つ小さな生き物のように降りて来る。儚さと力強さと、お天気雪という言葉があるだろうか、天から地上に届けるものがある。客の引けた蕎麦屋で主人と世間話をする。蕎麦を打つ力のこと気持ちのこと。押す引く揉む叩く捏ねる延ばす畳む捻る。強く弱く軽く重く、どんな気持ちと考えがあり、どのように蕎麦粉に触れるのか。毎日同じ気持ちと考えがあるにしても、毎日違う蕎麦になる。繰り返し繰り返し、その時の最高のものを差し出すしかない。
YACCO SHOWオープニングパーティー。B GALLERY。YACCOさんは本当にチャーミングだなぁ。
大きく明るく丸い月が空にある。自然に自分のイメージしたことが成就するように願を掛けている。今日もいい日だ。
鏡開き。円い餅2つ。小さくとも単純な力強さ。
今日はDBの命日。展覧会や1周忌に関連する会が数多く開かれている。それらのひとつひとつが意味深い。今いる人々がこれから、そしてこれからも引き続きするべきこと。メッセージを受け取り、伝えていく。それぞれにそれぞれの道で。DBがそこに見えようが見えまいが、そこにいる、ここにいる。
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夜来の雨が、朝起きたら雪景色、都心でも雪になるかなと思ったがそうはならず、黙って絵を描く。
新年初雨。大分寒い。F10号の作品、新しいタッチで進める。時間がかかる。体が冷えて運動が必要。エチュード。
七草。夕方街に出る。些細な話題いくつか。使っている4穴のバインダーを探すが絶滅危惧種。行き付けの店に置いていない。聞くと在庫切れで輸入代理店が取引を止めたという。2穴だとファイリングした資料等がダレて、ピシッとしない。長年同一メーカーの4穴を愛用している身には大問題。新しい考え方が必要。蕎麦屋でお勘定の一桁、3円をおまけしてくれた。百貨店の駐車場で1時間分余計に付けてくれたので無料になった。喫茶店でラストオーダーの時間を7分過ぎなのは知っていたが、入ろうとしてやはり入れてもらえなかった。「ラストオーダーが終わっています」と言われ、日本語の使い方は微妙に難しいと頭の中でツッコミ。そんな新年松の内。
原宿のCafe SeeMoreGrassへ。染吾郎さんの写真展のオープニング。70年代のセントラルアパート1階にあった喫茶店「レオン」を中心に撮影されたスナップ写真が左側の壁を埋めている。染さんによると、セントラルアパート3階の知り合いのオフィスに間借りしていたのだが、撮影のないときはいつもレオンにいてお代わり自由のコーヒーをすすり、主に撮影帰りのカメラのフィルムロール撮り残しでレオンに集まる人々のスナップ写真を撮ったのだそうだ。ロンドン帰りの染さんが写真家として仕事を始める以前に、M美在学中の2年間、山本寛斎さんのアシスタントをしていたことは今日話をしていて初めて知った。
星のアトリエ、デザイナーのYくんが来て仕事初め。Yチーフはいつもにこやかに仕事をする。僕のグラフィックデザインを取り仕切るようになって何年になるだろうか。25年か。いやもっとか。そういうこともきちんと覚えていない僕と長年付き合うのは、大変根気の要る毎日だと思うが、そんな様子を少しも見せたことはない。デスクで黙々と仕事をする様子を感じながら、今年もよろしくと挨拶する。
年越し蕎麦があるならと、年迎えスパゲッティを作る。以前3人の姪っ子たちに振る舞って好評だったので、気を良くしてさっと料理する。今日はアンチョビの塩気と潰したオリーブ、フライパンにはたっぷりのキノコ類。オリーブの香味と馴染めるのか、実験のつもりで胡麻油を使い炒める。茹で上がった全粒粉オーガニック麺をドサッと放り込み、醤油少々、千切り海苔と好みで粉チーズを振りかけ、箸でパクッと。
三日月と金星がランデブーしている。星のアトリエの片付けをする。展覧会から戻った作品や、展覧会の準備中に弾けたように散らかった資料の破片の数々が、年末の大掃除だけではおさまりきれず、好き勝手な所に鎮座してこっちを向いたりそっぽを向いたりしている。それらをなだめすかして在るべき所へと誘う訳だが、なかなか言うことを聞かずに夜になる。月と星の関係の美しさ。