PICTURE DIARY 2810SU2012
実家にある三本の柿の木のうちの一本。高いところにたくさんの実をつけてぼくの帰りを待っていたようだ。雨模様の天気だったのでどうしようか、と迷ったが、今日が良い日と赤く色付く寸前の柿の実に促されて、採ることにした。赤く色付き、赤を通り越した色の熟した実は、落ちて土を豊かにし、落ちる前に鳥たちの餌になり、いくつかは彩りと鳥たちへの楽しみとして残しておくとして、フーデッドパーカーを着て、高枝切鋏をよっこらしょと担いで柿の木に挑んだ。枝に一つ二つと実がついているが、そんな細い枝は切りやすい。しかし、一つ二つずつではどれ程の時間がかかるかなと考えた途端に、日暮れもそう遠くなく、ついつい欲を出して三つ四つ五つと、たくさん実をつけた枝を落とそうとする。すると枝も太く、高枝切鋏ですぐに切れるものではなく、やっと切れたかと思うと枝と柿の実の重さには耐え難く、途中の枝や葉にさえぎられて実を落下させたり、切った途端の勢いで枝ごと地面に落としてしまったり、せっかくの柿の実を傷つけ、割ってしまう。やはり欲を張ってはいけない。己の力に相応しい採り方をせよと雨中の柿の木を見上げて教えと赦しを請う。しっとりとした秋雨に濡れながら、柿の木に挑むような考えを持った自分が可笑しいと思った。分けていただこうとの謙虚な心持ちはどこへやら、時間が無いのを良いことに、たくさん実を採るぞと短気な格闘といったことをした滑稽なぼくがいた。星のアトリエへのお土産にと、母にたくさんの柿の実を二つに分けた袋にどっさり入れてもらい、星のアトリエのスタッフは柿の実の美味しさをあまり喜ばないのを思い出し、これは自分がせっせといただこうと考えて、またまた気持ちに力が入って呆れた
kaki,oishiinoni..
akino,mikakudesuyone~