PICTURE DIARY 2309MO2013

PD20130923s
コマーシャルの仕事をする者にとって、ポートフォリオはとても大切だ。それを見れば全てが解るから。あるいは仕事の全てを短時間で伝えることが出来る。仕事の内容や質はもちろんのこと、どのような意思を持って仕事をして来たか、して行こうとしているのかがそれを見れば解る。大阪出身のフォトグラファーHN君のポートフォリオは見事だった。アトリエにやって来て、それを見せてもらった瞬間に、いや、鞄から取り出したとたんに、こいつと仕事をしてみたいと思った。HN君の携えた夢や未来がそこにあった。ぼくと同じ何かとぼくには無い何か。それは2冊の大判の本になっていて、手作りの無骨でありながらデリカシーに溢れた、美しくチャーミングなものだった。そして、ほどなく一緒に仕事をする機会を持った。最近ではそんな見事なポートフォリオを見ることは無くなった。たくさんのデータがあるだけだ。データを取り巻く世界のフィジカルな楽しみは、本当に少ない。

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