PICTURE DIARY 1909WE2012


今日の夕焼けは格別にきれいだった。太陽が沈みかけた西の空には雲が多く、光の筋が幾重にも重なって旭日旗のように光芒を放っていた。真上の空にはまだ真昼の青水色が広がって、所々に浮かんだ雲がピンクオレンジに染まって流れて行った。東の空は重い灰色で、積乱雲が明るい灰白色の巨大な姿を誇らしげに膨らませていた。道を歩く人も気が付くと空を見上げて、きれいだー、とつぶやいていた。一人の老紳士が坂道の向こうに広がる芝居がかった夕焼け空を手を後ろに組んでジッと見つめていた。理容師のご主人がカメラを空に向けていた。車で往来する人々は気付かないようだった。10分か15分くらいだったのだろうか。やがて、美しい夕暮れのページェントは夜の帳に包まれて終了した。作、演出、地球とその大気。そして太陽。

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