
星のアトリエの小さなストックスペースを整理する。撮影用の照明や電球、バッテリー、テープ各種、ペーパーセメント、ボンド類、封筒、コピー用紙、作品等のキャリングバッグ、工具と工具箱、スプレーペイント、ティッシュやマスク、タオルと言った雑多な必需品が何となくエリアを分けられている感じで、これも雑然と押し込められている。片付けをすると、最初の2、3ヶ月は置場所をきちんと守ろうとするのだが、物を出し入れするうちに、置場所のエッジにだんだんぼんやりとしたグラデーションがかかる。小さな空き箱などを工夫して整理する。何であれ手入れをすると綺麗になるのは楽しいことだ。用も無いのにストックスペースの扉を開けて中を覗き込む。

星のアトリエの小さな庭の小さな薔薇が咲いている。不思議な橙色のその花は、小さいけれど誇らしげに見える。わたしはここよ、あなたにわかる?雨を浴びて、風に踊って太陽に輝くの。それがわたし。明日もここにいらしてね、今日と同じように明日のわたしがいるわ。覚えておいてね、わたしも忘れないわ。それでは明日。ごきげんよう。今朝がたの激しい雷と雨に、つつじの花がいくつか落ちた。拾いあげて手水に浮かべる。ゆっくりと時計回りに回って小さな薔薇に挨拶する。花を咲かせる木の一生は続き、咲くときも咲かないときも、ぼくらは互いに感じあう。

午前中、水戸の隣町、ひたちなか市へ書家、深見紅雨先生の展覧会を見に行く。最高のものを見ること、信じたことを進めること、一人でも作品を理解出来る人は必ず居ること、師の筆の先を見て覚えること、一瞬の力の大切など話す。先生の書を拝見して教えられることは多い。貴重なお時間を頂いた。午後、鈴木茂兵衛商店へ。提燈の材料を作るために開発した新しい機械を見る。SOLANGE展への協力に心よりの感謝。

バランスのことについて考える。僕は割合極端な人間で、自分の思うことや人の言うことでも、良いと思ったらすぐに実行したがる。おまけに直感型でもあるのでプロセスが消し飛んでいる場合も多い。バランスと言うのは計画的なことの上に成り立つもので、無計画なバランスと言うと、イソップ物語のキツネの話であったかどうか、こっちの肉が多いぞ、ちょっと食べちゃえ。おや、今度は反対側の肉の方が大きいな、ちょっと食べちゃえ。と言っているうちに全部食べてしまったり、橋の上から水面を覗き込んで、水に写った自分のくわえた肉を「よこせ!」と吠えた途端に水中に落としてしまうような、そんな顛末が常態化している性行があり、バランスを取るのに計画性がないと、とても役に立たない。晴れた空、ため息で出来た雲が流れる。


本日、ビームスライツ渋谷店にてミック・イタヤのポップアップストアがオープンいたしました。
BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYAの服はもちろん
ハンドミラーズやお手頃なプリント作品スーベニアシリーズも充実しておりますのでぜひお立ち寄りください。
明日、5月30日土曜日14時ー18時はイタヤが店内にて、期間中お買い上げ頂いたお客様の商品、またはポストカードにその場で絵を描いてプレゼントいたします。
みなさまのご来店をお待ちしております。
MIC*ITAYA POP UP STORE
期間 : 2015年5月29日(金) 〜 6月7日(日) 10:00-21:00 (会期中無休)
★イタヤ来店日 5月30日(土) 、6月 6日(土) いずれも14:00-18:00
場所 : ビームス ライツ 渋谷 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ ShinQs 4F
TEL : 03-5464-3580
■ BEAMS ONLINE / BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYA

ここのところ収納や整理整頓のことを考える。それが作品の製作やデザインの仕事に直結しているから。起承転結、結から先々まで。その成り立ちを整えたり試行することで作品やデザインが変わる。

近頃得た思い。表現したものを敬う心を再認識し実行すること。作品や原稿はもちろんのこと、コピーなどの印刷物、新聞や雑誌など、言葉や写真、絵などを大切に扱う。安易に破ったり棄てたり、重ねたりしないこと。敬意と尊敬を持って相対する。そこには古来から現在につながる意識や魂が宿っているから。僕らが今、生きて、仕事や生活が出来るのも、文字や文字で表す考えがあればこそ。それらを大切にする。無駄に棄てずに吟味し、役に立つ方法を考える。美の原点、言の葉にある。

休養の一日。「自然」をテーマに絵を描く。点で三枚、線で三枚、面で三枚、点線面を使って三枚、更に点線面を自由に解釈して三枚。合計15枚。おまけにもう一枚はことさら自分のタッチで16枚目の絵を描く。イメージと表現の小さな冒険。描き上げて並べると、ストーリーが浮かび上がるのが不思議で面白い。絵と表現の基本、続ける。

星のアトリエ、デザインルームの模様替え、朝から。デスクの位置や棚、コピー機など少しずつ動かす。主な目的は、あらゆる意味での風通し。と同時に湿気や水捌けも意識するこの頃。アトリエ自体の立地が奥まっているので、これからやって来る梅雨や盛夏に向けて良い機会とばかりに。しかし始めると奥深く、なかなか終了の目処が立たない。3時にはお茶を飲みながら労を労うはずがぜんぜん終わらない。棚を動かしたりするのに、本や資料などを出して軽くするのは良いが、資料なども事前に整理しておけば良かったと思うのが後の祭り、日頃の垢がどっと出て、何にしても労を惜しまず毎日少しずつと反省しきり。

福助の展示会で、満を持して発表と広報のS女史、自社名が冠のメンズソックスシリーズ。染色、素材、編み、価格、あらゆる点で素晴らしい安定感だ。もちろんMADE IN JAPAN。底力を感じる。星のアトリエ、キッチン。一昨日の雨で物凄い雨漏り。庭師に連絡し雨樋の状態を見て貰うと、笹の葉が詰まって土のようになっているとの見立て。これじゃあ雨水は流れない。全て綺麗に取り除いて貰う。星のアトリエのキッチンは水の通り道だ。前の工事で大丈夫、と安心していたのだが、これからは落葉にも気を付けるように。

毎朝、手水の水を取り換えて掃除をする。覗き込む僕と空を映す。円い鏡のような水面に落ちた雫が、僕と空を揺らして混ぜる。素敵な美しいものを映しますように。素敵な美しいものが移り来ますように。

MIC*ITAYA POP UP STORE
BEAMS LIGHTS SHIBUYA
2015年5月29日金曜日から6月7月日曜日まで、渋谷ヒカリエ4階「ビームスライツ渋谷」にて、ミック・イタヤのショップイベントが開催されます。期間中5月30日土曜日14時ー18時と6月6日土曜日14時ー18時の両日はミック・イタヤが店内にて、期間中お買い上げ頂いたお客様の商品、またはポストカードにその場で絵を描いてプレゼントいたします。ふるってご参加ください!お待ちしています。
会場 : ビームス ライツ 渋谷
期間 : 2015年5月29日(金) 〜 6月7日(日) 10:00-21:00 (会期中無休)
★イタヤ来店日 5月30日(土) 、6月 6日(土) いずれも14:00-18:00
場所 : ビームス ライツ 渋谷 〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ ShinQs 4F
TEL : 03-5464-3580
URL : http://www.beams.co.jp/shops/detail/beams-lights-shibuya


台風6号接近中。夜になり雨。昼間は出先の四谷で雨に遇う。自然に親しむ機会を多く持つこと。考える時間と動く時間のバランスを取ること。

JIRO DE ITALIA、TOUR OF CALIFORNIA始まる。フットボールのイングランドプレミアリーグはチェルシーに優勝が決まったが、チャンピオンズリーグの出場権を懸けた3位、4位闘いは続き、そして2014、15チャンピオンズリーグの準決勝2試合はセカンドレグ、ベルリンの決勝へはどのクラブが。自転車ロードレースはグランツールの幕開け、スポーツを見るのが好きな僕にとっては悩ましくも楽しみな毎日。全てを視たりチェックするわけではないが、ひいきのチームや選手がどんな活躍をしているのか気になる。プレミアリーグ、ツール、見に行きたいなぁ。何日か前から木の芽の香りが漂って、頭の深いところに届く。大好きな匂い、大好きな季節。

母の日。日本橋三越MIRRORS POP-UP SHOP最終日、搬出。日本橋へ何日か通って、日本橋がより身近になった。本当にありがとうしか言葉はない。またお世話になる機会を持てると良いと思うのは欲張りかな。助手Aも昨日今日と休みを返上しての大活躍、ありがたい。MIRRORSを盛り立て応えよう。

夢のような打ち上げ餃子から一夜明けて休養。母の日のプレゼントを用意する。

静岡でのスーパーヨロイ展打ち上げ。パラダイスさんの蔓餃苑で。途中参加になったが、到着すると、既に新作で人気のクリスピー餃子が三種出て、その合間に寸胴鍋の山盛りおでんも三杯目が終了し、15、6人が囲んだテーブル上には大きな海老がプルルンと乗った海老餃子、それにアンモナイトのように見えるタコの足がクルッと巻いたタコ餃子が、これも餃子風の小さ目なお稲荷さんと入り乱れて、さあ食え!とばかりに並んでいる。集まった工作員OBANDOSのメンバーとスタッフは餃子ディナーの三順目といった状態、それぞれ腹をいたわってスローダウンの様子。次から次へと現れるトリュフ餃子や猪餃子、締めの静岡しらす餃子と、あれこれ充分堪能しました。蔓餃苑、変わらず凄い。

陰と陽のバランスについて考える日。陰気すぎても陽気すぎても良くない。陰気だからといって悪い訳ではない、陽気だからといって良い訳ではない。双方のバランスが大切。陽気は年齢と共に失われて行くので意識して使わなければならない。この世界は陰気の誘惑が多く、陽気を蓄えておくのは大変難しい。何しろバランス。

日本橋三越、MIRRORS POP-UP SHOPへ。意外なお客さまが訪ねてくださって嬉しかった。夜、菖蒲湯に浸かる。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015、3日目最終日。声楽の指揮者、コルボさんのマスタースクールに参加する。幼児から現在をインタビュー形式で語る。素晴らしい音楽によって掻き乱された心を整理することの重要性。音楽を聴くために霊的な準備をする日本の聴衆。見付けるためにイメージすることなど。心のひだをクリーンにする3日間の、温かく包み込むような締めになった。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015二日目。ラヴェル、バレエ「ダフニスとクロエ」より2台のピアノ版、ボリス・ペレゾフスキーとアレクサンドル・ギンジンのピアノで。メシアン、「アーメンの幻影」より、これもボリス・ベレゾフスキーとアレクサンドル・ギンジンのピアノによる演奏。クラークの「ヴィオラ・ソナタ」、エリーナ・パクのヴィオラとボリス・ベレゾフスキーのピアノ。ベレゾフスキーとギンジンは、二人共にロシア人で体格も良い。その二人のピアノは、力強く繊細である点でも共通している。物理的な強い力とデリケートなタッチが折り合い重なり合って、ラヴェルの用意した、例えようも無い凄烈で甘美な神話の世界に誘う。観るべきもの、聴くべきものの理由は自ずと付いて来る、そしてそこにある。

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2015。リストの「十字架への道」。ジャン=クロード・ペヌティエのピアノ、ヴォックス・クラマンテスの歌、ヤーン=エイク・トゥルヴェの指揮で。無駄の無い音数の少ないピアノ、美しい和声、惜しむらくは会場の扁平。だが、そんなことは問題ではない。音楽の美の本質がそこにありさえすれば。

スケッチを重ねる。明日から連休、年末年始以来の休みになるかな。だからという訳ではないが、リラックスする気持ちと身体とが求めていることとは裏腹なのか、あるいは同調しているのか、多分その両方の働きかけだと思うのだが、創作に対する意欲が奇妙に高まっている。「奇妙」とは、僕の辞書では「素敵、素晴らしい」と同義語で、「独特で個性的な素晴らしい不思議」とでも言うような意味。意匠にせよ芸術にせよ、僕の内側では論理や直感が螺旋状に交差して、それらが可動し、移動する不思議な接点として浮遊している。ニューロンが触手を伸ばして結び付き、新しい知識や価値の源泉になるように、五月晴れの心地好い風が、これから進む方向に吹いている様子。必要なサインは見逃さない、必然であればこそ、ハミングしながら空の蒼さ、碧の瑞々しさ、小さな生き物の成せる業を愛で、神々のクリエイションを讃え、享受してスケッチを重ねる。

昨日、SOLANGE PASSPORTを全て仕上げる。全ての絵には、水平線と地平線が描かれている。僕らは大昔から眼を細めて空と海の間の、あるいは空と大地の間の果てしの無い彼方に行きたいと願い、同じように空と海の間から、そして空と大地の間から来るものに期待して、時として畏れた。そのなだらかな弧を描く境目の連続の意味を知らずに。あるいは充分に知りながら。誰も何の約束も出来ずに旅は続いて、それは旅と言う概念ですら無く、ただ生きるために必要なだけ歩き続け、漂い続けた。僕らは今、何を約束出来るのだろうか、ただ生きるために必要なだけ旅を続けるのだろうか。何らかの欲望が旅をさせるのだろうか。自分の棲家から一歩も出ない旅もあるだろう。旅人を迎え入れるだけの旅もあるだろう。どのようなかたちにしても、僕らは旅をして来たし、これからも旅を続ける存在だ。この宇宙があろうがなかろうが。物理的な水平線や地平線があろうがなかろうが。旅を続ける。

日本橋三越、ミラーズポップアップショップの店頭に立つ。連休の初日とあって多くの人出。ぼんやりとする時間が無かったのでむしろ疲労は無い。ご来場のお客様方と話をするのが楽しかった。気が付くと終了予定時刻を1時間半過ぎていて驚く。

昼、福岡から上京中のおかはっちゃん、デビューCD「おかはち屋台」持って来る。おかはちらしい人情味溢れるアルバム。聴いて油断すると涙や鼻水が出る。夜、新宿伊勢丹、ミラーズポップアップショップ撤収。駐車場までの道のり、助手Aが台車を押すのを見ながら、つくづく頑張ったと思う。まだまだ続く。

菩提寺の東堂さんと提燈の話をする。古くて新しい灯り、僕がデザインしたすずも提燈を愛用してくださって、人々の未来の生活と仏門の関わりや有り様を想うとおっしゃる。和のモダンは大きなテーマだ。

日本橋三越MIRRORS POP-UP SHOPに立つ。通りがかりのお客様と、主に世間話をする。ご挨拶しながら言葉をかけたり商品説明をしたり、臨機応変に。カジュアルな雰囲気の若い人は多くはないので、ミラーを並べてボーッと黙って立っていると、何の引っ掛かりも無い感じ。現にマネキン人形と間違われてご婦人を驚かせてしまった。それはそれで大いなる引っ掛かりだったわけだが。母の日イベントとは言うものの、プレゼントを受け取るべき年齢の母たる女性の方々が多くご来店なさる。

新宿伊勢丹MIRRORS POP-UP SHOP。14時から18時半頃まで立つ。販売スタッフの皆ともだいぶ打ち解ける。28日での終了を惜しむ。20時、キャットストリートのスペース、GALAXYでdip in the poolのライブステージ。何曲かバンドを従えての演奏は本当に久し振り。dipの2人だけの演奏はもちろん素敵だが、バンドサウンドは生き生きとする。VIVA!dip GALAXY live。

SOLANGE PASSPORTを何冊か仕上げる。BEAMS社でBLM、2015-16AWコレクションのミーティング。DEPTのオープニングレセプション、エリちゃんおめでとう!セージさんドロン、やはり照れ臭い。ナデシコ5周年夕食会、美女に囲まれて。

ここのところ全く休みが無かったので完全休養日にする。車を走らせ森に行く。清流の傍らで水音を聞く、木々の微かなざわめきを感じる、鳥のさえずりに耳を傾ける、川面のきらめきに眼を細める。光の粒のひとつひとつが水に写り反射す太陽だということに気が付く。自然の中の当たり前。貴重な当たり前。光のウェーブはあまねく地上に降り注ぐ。短い時間だったが良い休みになった。

改めて気が付いたこと。ファブリックとテキスタイルについてのスタッフミーティングをしていてつらつら考えるに、やっぱりスカーフやストール、マフラーが好きだということに思い至る。首から肩を飾る楽しみと心地良さ。

日本橋三越、MIRRORSポップアップショップ搬入。明日から5月10日、日曜日、母の日まで。

普通の月曜日を過ごす。起きて朝食をとってアトリエで仕事をし、スタッフミーティングをして散歩がてら昼食に出、アトリエに帰って仕事をし、夕食を食べて一休みしてバスにつかって眠る。最近、こんなシンプルな日は無かった。

昨日に続いて新宿伊勢丹へ。ミラーショップの店員となる。

新宿伊勢丹のMIRRORS MIC*ITAYAポップアップショップへ。店頭に立ってお客さまをお迎えする。18時までの予定だったが19時過ぎまで立つ。リビングのフロアーで、タオルやバス、トイレタリー、アロマ、ベッド周りの商品に囲まれた一画なので、どうかなぁ、と思っていたが全くの杞憂だった。足を止めて見てくださる方も多く、友人、知人も来てくれたお陰もあり、フロアースタッフのフォローも完璧で、充実した時を過ごすことが出来た。少しずつではあるけれど、お客さま方が百貨店に何を求めているか、具体的に知ることも出来た。もちろん売上にもなって嬉しかった。お買い場=売り場に立つのは馴れないけれど、面白い。また、ギャラリーに居て感じるのとは違う感覚がある。スケジュールと体力が許せば毎日出たいとも思う。明日も楽しみだ。

ミック・イタヤのハンドミラー ポップアップショップ
日本橋三越本店 本館5階で好評展開中です。
ゴールデンウィーク期間中の
5月5日 火曜日 14時ー17時には
イタヤが会場におりますので
是非、お越しくださいませ。


23日から5月8日まで、日本橋三越5階に開店するMIC*ITAYA MIRRORSのポップアップショップに使用するディスプレイ等の準備を進める。フレームをペイントしたり、案内のカードを用意したり、助手Aが大活躍している。ミラー作品シリーズは2000年のミラー展でデビューして以来続いている。アートピースとグッズの中間領域の存在で、アートとデザインの間のトワイライトを自由に往き来する表現を好む僕にとって、ミラーというマテリアルとモチーフ、テーマ、与えたストーリーは、一番と言っていいほど顕著に僕を表すアイテムかと思う。

星のアトリエでの地道な作業。こつこつと積み重ねるような。午後、来客。お茶請けに自然食品店のどら焼を出す。お土産に有機野菜の焼き菓子を頂く。みんな食には一層の気を遣いはじめている。何を食べているかで気持ちも体も出来ている。ナチュラルな表現にはナチュラルな食事が必定だと感じている。

朝、庭師が来る。立ち話に梅の木について聞く。幹に苔と茸が生えて来ているのは、風通しが悪いせいもあるが、木の成長がゆっくりなためでもあると言う。幹の表面の菌の成長よりも、幹の成長が遅いと苔や茸が育ち易いそうで、幹の成長が早ければ、幹の表面の菌同士が結び付かずに、苔や茸が育たないのだと言う。

雨。続く。Alaskaへ、アボカド豆腐丼を食べに出る。昼食時を外しても、玄米を中心にした充分満足な食事が摂れる、数少ない特別な場所。食が文化の中心にあると考えるので、何を食べて作品を製作するのか、とても大切だ。新しい表現の背景には、斬新な食生活があると言っていい。パッと食べてパッと帰る。送られて来たSOLANGE PASSPORTの製作。予想を越えて、たくさん還って来て嬉しい。

ゆったりとした朝、雨。静岡CCCでの「戦意喪失!スーパーヨロイ展」今日からスタートして6月まで。名残を惜しみながら東京に戻る。展覧会ソランジュが終了してから怒涛の一週間だった。とにもかくにも静岡に行って本当に良かった。得難い貴重な経験、体験をした。

日本橋三越本店5階コンフォートバスガーデンに
ミック・イタヤのハンドミラー ポップアップショップが本日オープンいたしました。
イタヤは以下の日程で会場におりますので
是非、お越しくださいませ。
4月26日 日曜日 14時ー18時
4月29日 祝日水曜日 14時ー18時


熟睡して早く目が醒める。ホテルの朝食バイキング、黒はんぺんが単品で皿に盛られているのは流石静岡。食べたいものだけ少し食べ、歩いてCCCへ。最後の仕上げをしようと集合時間より早く行くと、既にしりあがりさんが来ていて、スーパーヨロイの胸のところに着けた、アダルトショップで買ったというリアルなおっぱいを、2つの風船に取り替える作業をしている。パン!と音を発て片方のおっぱいが割れる。11時、全員、自作の鎧兜に着替えて駿府城で撮影。「なんだこれ!」、子供たちの反応が素直で面白い。桜の木の下の花見客に混ざって宴会シーンの撮影など。13時、昼食は鰻にする。食後は先生方による各工作員の戦意喪失ヨロイ採点会。先生は橋本麻里先生とかせきさいだぁ先生のお二人。14時、講評と採点を楽しみにしながらライブ会場、ICN HALLへ向かう。サウンドチェックとリハーサル。チケットはソールドアウト。待ち時間があると、疲労感と満腹感で急に眠くなる。並べた木の椅子の上で一眠りする。逆柱いみり、そして駿府レンジャーのステージ。しりあがり寿、安齋肇の司会進行で、ゲストに橋本麻里先生、かせきさいだぁ先生をお迎えし、各工作員の作ったヨロイカブトの講評と採点。総じて武将は派手好き、新し物好き、さらに当然自己顕示欲の強い人たちだったと橋本麻里先生の解説。続いて、かせきさいだぁwith中森康弘オンステージ、トリはOBANDOSで終了。居酒屋で打ち上げ。飲み放題の居酒屋の持ち時間終了後、ホテル近くのカフェ、ワインスタンドでみんな思い思いに立ち飲みとおしゃべり。みんなと過ごす時間がとても楽しく、なかなかホテルに帰れない。

静岡へ。しりあがり寿さん主宰の静岡CCC、「戦意喪失!スーパーヨロイ展」に参加。昨日製作した戦意喪失ヨロイを車に積んで急ぐ。工作員メンバーそれぞれのヨロイカブトの面白いこと、固定観念を覆すどころか、うっちゃりを決めている。工作展が無ければ、こんなに集中を楽しみながら鎧兜を作る機会はまず無いだろう。これらの甲冑を身に付けた武将と対峙したら、確かに戦意喪失は必定。設営を終了し、しりあがりさんご実家でおでんや天婦羅、ご母堂をはじめとして、妹さん、ご友人が用意してくださった家庭料理をご馳走になり、全員感激と喜びの舌鼓を打ち鳴らし、満腹の勝鬨の声が響く。ごち・そう・さーん!

随分久し振りに代官山パントリーのランチを食べる。相変わらず美味しい。「代官山ヒルサイドテラス通信」と言う小冊子が有るのに気付き興味深く見る。3号まで発行されている。生け花の世界的アーティストで3年前に亡くなった中川幸夫さんの記事が目に止まり、各号一冊ずつ買う。静岡CCCの「戦意喪失!スーパーヨロイ」を作る。9日から静岡ではOBANDOSのメンバー、工作員が集合してそれぞれに鎧を作っている。僕は途中参加する。

鎧作りの作業にあてていたが、急な外出の予定が入り、鎧の仕事には手が付かず。宙ぶらりんを楽しむ。

忙しさの合間を縫うように、雪之丞さんの戯曲、ロックミュージカル「サイケデリックペイン」のマチネを観せてもらう。布袋さんの音楽もシンプルで分かりやすく、雪之丞さんの仕掛けたっぷりの詩的な台詞や歌が際立つ、素晴らしいコンビネーションを聴かせてくれる。客席は満席、95%まで若い女性たちで締められて、息を殺して見守る館内の空気が著しく濃い。天使と悪魔の戦い、永遠のテーマ。

明日、新宿伊勢丹でミラーズのポップアップショップがオープンする。ディスプレイのセットやポップ、資料などを用意し20時の閉店後設営する。途中、渋谷TIME CAFEに立ち寄り、預かってもらっていた展覧会の作品や販売用のグッズなどをピックアップ、改めて感謝を捧げる。設営は順調に進む。母の日の赤いカーネーションの絵を描き、プリントしてプレゼントボックスにセット。多くのお母様方のお手元に届くと嬉しい。