PICTURE DIARY 0604WE2016
何かの出来事や言い回しを、あたかも誰それのようだ、と言ったり思ったりすることがままある。こんなとき、誰それだったらこう言うだろうとか、こうするだろうとか。そう考えるのは自分であるのに、その誰それが考えたかのように言う、思う。そんな回路。
何かの出来事や言い回しを、あたかも誰それのようだ、と言ったり思ったりすることがままある。こんなとき、誰それだったらこう言うだろうとか、こうするだろうとか。そう考えるのは自分であるのに、その誰それが考えたかのように言う、思う。そんな回路。
展覧会初日。天婦羅。それぞれの席で、年の行った客同士が会話を交わしているが、何を話しているのかは解らない。店内に余計な音楽などはない店だが、ひそひそ声でもないのに何を話しているのかはまるで解らない。時折言葉尻や笑い声に混じりあった相づちなど、短い言葉が耳に入る。こういう店で会話する術を心得た客たちなのだなと思う。大きな声などではなく、控え目な心地好いざわめきになるような声音。昼の膳。
The Artcomplex Center of Tokyoへ作品の搬入。25点の新作と、それらにつながる5点の旧作。今回の展覧会は、改めてアーティスト、画家としての過去と現在と未来を考察する、新しい出発点だと心得、位置付けている。大きな節目。
EVENT-BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYA 2016SS
BEAMS LIGHTS with MIC*ITAYA2016春夏コレクションが出揃いました。
ショップイベントもございますのでぜひお立ち寄りください。
http://www.beams.co.jp/news/detail/6591
ショップイベント開催日程
★ビームス ライツ 渋谷
2016年4月18日(月)-4月24日(日)
イタヤ来店日時:4月23日(土) 14:00-18:00
http://www.beams.co.jp/shops/detail/beams-lights-shibuya★ビームス ライツ 神戸
2016年5月14日(土)-5月22日(日)
イタヤ来店日時:5月14日(土) 14:00-18:00
http://www.beams.co.jp/shops/detail/beams-lights-kobe
展覧会の最終的な準備に明け暮れる。集中にも度が過ぎて、見ている物の向こうが見える、感じる以前に意味と理由が解る。その分、消耗が甚だしいが気分は爽快。全体の調和やバランスが大切。
忙しさの合間を縫うように実家に帰る。
エイプリルフール。毎年のことなのだが、一日の終り、そう、この日記を書く今頃に、今日が何の日だったのか思い出してちょっぴり残念に思う。何かエイプリルフールらしい洒落た仕掛けをしたかったな。
日本橋人形町へ。訪れるといつも感じるゆったりとした空気と現代が重なり合い、層になって漂う。辻村さんの美術館が無くなったと聞いた。確かめてはいない。
朝食を取り、仕事に入るが昼になる。今日は何事もゆっくり進める。
かなり髪が長くなった。冬の寒い季節に仕事に打ち込む、または、かまけていると、いつの間にか時は流れて、ふと気が付くと肩の辺りまで来てある日、結びまとめられるようになっている。長い髪は、首が温かく、寒さを防いで都合が良いので、もうすぐ来る暖かい日が続くのを待ち切りに行く。
コクリコ展も半ばを過ぎてギャラリーに絵が馴染んだような気がします。
4月12日火曜日17時〜20時
4月16日土曜日17時〜20時
4月17日日曜日15時〜18時
ミック・イタヤが展覧会場に居ります。
MIC*ITAYA EXHIBITION Coquelicot
2016.4.5.tue-4.17.sun
at The Artcomplex Center of Tokyo
Open 11:00-20:00 / Last day-18:00
Entrance Free
Closed on Mondays
アートコンプレックス・センター
〒160-0015 東京都新宿区大京町12-9
Tel.03-3341-3253
http://gallerycomplex.com
夜になり、誰か引戸でもゴロゴロ動かしているのかと思ったら、稲光がして雷雨になる。子供の頃は恐くて、蚊帳を吊りへそを隠した。光ってから音が鳴るまで、いち、にい、と数を数えて距離を計り、男の子らしく冷静なところを示すのは少し大きくなってからだが、相変わらず儀式のように蚊帳を吊った蒲団の中でのことだ。雷のあの音をドラムで叩き出せないものかと考えることもあったが、それこそ風神雷神のように鬼の形相と仕業が可能にすることかと思う。あの天から地へ、地から天へと駆け巡る響きは、体内の何物かを呼び起こすと同時に、治めもする。畏れを持ちながら、大きな魅力に溢れる現象だ。
ここのところ非常に内向している。息を止めて海深く潜り、海の底を手探りして掬い上げる。船上に広げてみるが、どれもこれも大切なものに思える。浅はかな自分の、それでも深い所から引き揚げたものの数々、まずは慈しみ、眺める。
四枚の絵の下描きをする。四枚はそれぞれ少女の肖像で、架空の世界に住んでいる。架空の世界には呼び名もないし、どんな世界なのかも解らない。そこに住む人々、あるいは生き物を描き起こしてディテールを浮かび上がらせようとする。新しい神話を編んで椅子のクッションにする。
案外今まで気にしたことが無かったが、桜の蕾がほころんで花開こうかという頃に生まれたということ。今頃になって、そうかぁ、などと感じ入っている。19歳と、若い母の初産ということもあり、予定日を二週間遅れて生まれた。予定通りだと魚座になった。それに、父をしてスロースターターと言わしめた性分も、その蓄えた二週間分のうちなのかも知れない。これもまた今頃になって大器晩成型だなどと言い出す始末はさも有りなん。お産婆さんが取り上げて、オギャアと産声を挙げないものだから、足を持ち逆さにして背中を叩いたという。そこでオギャアと声を挙げる訳だが、今だに何をするにしても誰かの応援や後押しが必要な理由かも知れない。桜花爛漫たる頃、桜の花も天気や気温や、見に来る人々の気持ち、さらには気分で開くのかも知れない。一年に一度のこの季節。
夕方、満月が山裾に登って玉子の黄身のようだと思う。車を走らせながら視界の隅の月を追う。
岐路に立ち、峠に差しかかっている。峠の見晴らしは良い。初めて望む景色だ。物覚えが良いたちではないので、スケッチやメモは必ず取るのだが、メモを取ると忘れても大丈夫、と安心するので、かえって忘れずにいることが多い。メモは忘れるためにするのだが、メモしたことを忘れるのは困る。リラックスして峠を行く。
誕生日。ことさら感謝とありがとうの日。星のアトリエスタッフと共に。
春分の日。太陽が牡羊座に入り、星の世界の元日。小さな絵を二枚描く。終日穏やかに過ごす。
小さな絵を二枚描く。僕の中の血がゆっくりと、ゆったりと記憶を運び、廻らせている。目の前に現れる、単純で飾り気のない素直な絵が、静かに語りかける。何も特別なものやことではないと知らせる。日々是淡々と。
菩提寺の東堂さん方丈さんと世間話をする。波山さんの話題になり、近頃の若い学校の先生方の中には「はざん」と読まずに「なみやま」と呼ぶ者がいると言って苦笑する。それじゃあ故郷の偉大な芸術家の名を知らない人が多いのも頷ける。僕が波山さんの血縁と間違われると言うと、東堂さんがそうだろうなあと感嘆したようにおっしゃる。祖父の代には陰になり陽向になり、互いに信頼し合う関係があったのだという。なるほど祖父から芸術や美を理解し愛する気風を受け継いでいるということか。
仕事柄、働いているのはほとんど頭と右腕だけなので、仕事以外の時間は歌ったり踊ったり運動すればいい。ただ、踊る音楽が難しい。この頃の音楽の趣味の範囲で、身体が自然に反応するような音楽やいかに。昨今のクラブ事情にも疎くなったし遠くなった。誘われることはままあるが、いつからか夜中にわざわざ出掛けようと思わなくなったので。やはり以前から考えるように、早朝クラブがラジオ体操と棲み分けて、公園を賑わす日が来るのだろうか、なんて思う。野菜ジュースや、お粥や健康維持に大切な食品なんかの店が出て、大きな音は迷惑だからヘッドホンやイヤホンに音を飛ばして。健康のために集まるのは朝がいいという時代と世代がすぐそこに、ここに。
The Artcomplex Center of Tokyoでは初めてになる新作展を開きます。
25点の作品は、僕のこれまでと今とこれからを素直に現しています。
お時間がありましたら、ぜひご高覧ください。
ミック・イタヤ
MIC*ITAYA EXHIBITION Coquelicot
2016.4.5.tue-4.17.sun
at The Artcomplex Center of Tokyo
Open 11:00-20:00 / Last day-18:00
Entrance Free
Closed on Mondays
★Reception Party 4.9sat. 17:00-20:00
ミック・イタヤ新作展コクリコ
イノセントな少女たちの空想世界では
苦しみや憎しみ、あらゆるネガティブな感情から解放される
なぜなら、少女たちはそれらの感情が芽吹いた途端に貪り食らうから
アートコンプレックス・センター
〒160-0015 東京都新宿区大京町12-9
Tel.03-3341-3253
http://gallerycomplex.com
大ラジカセ展、展示用のカセットテープを作る。作るとは言っても、展覧会用に送られて来た白いカセットテープを分解してスプレーで赤くペイントし、カセットテープ用の透明のプラスチックケースも同様に赤くした。絵や文字は描かない。この赤いカセットテープは、1984年3月1日にデモテープとして、4チャンネルのカセットデッキで録音した「RED PALETTE」と名付けた、イタヤミチマサ/MICHIMASA ITAYA名義の数曲の楽曲集である。当時、仲間達と編集出版していたカセット付きマガジン、「TRA」のスペシャルイシューとして発売を計画し、程なく「TRA」が解散したため、その後新たにレコーディングする機会を逸し、眠りについていたデモ音源が収められている。今回その「RED PALETTE」が、カセットマガジンとして世に出るのであれば、こんなデザインにしただろう、と想定して制作した。
ああすればよかった、こうすればよかったという気持ちが、波のように寄せて返して、心が砂に立てた棒のように頼りない。そんな絵を静かに描きたい。何でもない、何ごとも起こらない静寂と微笑みのある絵を。
美術館をつくる、妄想する。
一日中の雨。想いを降らし想いを集め想いを流し想いを巡り想いを残し想いを唱え想いを叶え想いを繋ぐ。そんな一日中の雨。
留守にするので、ナイスとアリスをペットホテルに連れて行く。自分でさっさとキャリーバッグに入って、どこに連れて行ってもらえるのかとわくわくした様子なのだが、いざペットホテルを併設したかかりつけの動物病院に着くと、受付で支払いを待つ犬に吠えられて、目を丸くするナイスとアリス。犬の挨拶に慣れていない。
土曜日の朝は毎週GONTITIの二人のラジオ放送がある。ラジオ放送で和みが得られる貴重な時間。今朝もまた。
カルシウムが足りないと、せっかち、短気になる。相手が話し終わらないうちに被せて喋る。勢い付いて言い残しながら、街宣車のように去って行く。ドップラー効果、あるいは捨て台詞。
人は皆、弱音吐いたり強がり言って生きている。母なる大地、父なる太陽、恵みは皆に等しく有る。弱音、強がり、糧、肥やし。じっくり世話して強くなる。実り有る無し考えずしっかり育てよ。
ありがとうと感謝の一日。
体の調子も気持も毎日一定という訳ではないので、今日の感覚に合わせた種類の仕事の仕方と選び方をする。だいぶ暖かい日だが、それだけにどうしても緩む。取り組んでいる絵は寸止める。これ以上手を加えない。加えようとすれば、出来ることは限りなくあるが、手を加えないと見極めれば、それ以上にすることは全く無い。デザインも然り。幾つか試して見ることはあるが、選ぼうが選ぶまいが最後は信じた一つ。
絵は線だ。緩やかな曲線を組み合わせて繊細と剛胆の境目を可愛らしく組み立てる。着彩すると線の強さがより境界の意味を強めて微かに微笑む。ロードバイクのメカニックでは第一人者のN氏の店へ行く。昨日からパリ〜ニースがスタートして本格的な自転車レースのシーズンに入った。昨今のレース事情や注目選手などの話しを伺う。またヨーロッパに行かないのですか、と訊ねると、もう10年経ちますからねと笑いながら、今、ここで練習していた中学生が二人ベルギーに行っていると言う。N氏のショップの小さなスペースで育てた若者、楽しみだ。N氏の経験と知恵を生かすプランが着々と、最高のかたちで進んでいる。ロードバイクの轍の曲線がつながる。
二枚の絵を描き上げる。一晩寝かせて、好ければ明日サインを入れる。大阪DMOARTSで16日から開催予定の「星屑のみの市」について考えを巡らす。星のアトリエの星屑をテーブルの上に広げると、色んな楽しいことを思い付く。出番ですよ、と囁きながらスケッチしたりメモをしたり。
MIC*ITAYA POP UP SHOP「星屑のみの市」
2016年3月17日 木曜日 ー 31日 木曜日
大阪LUCUA 1100内のギャラリーDMOARTSで、ミック・イタヤのポップアップショップ「星屑のみの市」が開催されています。パリで手に入れた可愛いい木箱やコースターに、新しい軽快なタッチで絵を描いた小作品をはじめ、定番の「MIRRORS」、カラフルな靴下や「クロネコミック」のプリント作品がキラキラと楽しげに並んでいます。ミック・イタヤの「星屑のみの市」らしい、ささやかでスペシャルな掘り出し物があなたをお待ちしています。ぜひお立ち寄りください。
DMO ARTS
大阪市北区梅田3-1-3 LUCUA 1100 B1F
電話 06-6450-8187
営業時間 10:00〜21:00
http://www.dmoarts.com/access/
午前中はゆっくりして午後日暮れるまで作品制作。朝ふとスイッチを入れたラジオからDAVID BOWIEの「STAR MAN」が流れて来る。今制作している作品の意味を知る。夜ぼんやり眺めていたTVの音楽番組、改めてYELLOW MONKEYの「JAM」に惹かれる。そう言えばボーカルの吉井氏はミック・ロンソンの故郷を訪ね、墓参りしていたことなど思い出す。
夜になって日記を書こうとするが、思い浮かぶことが何も無い。こんな日もある。
早朝の寺、本堂の開かれた扉から一筋の光が射し込む。焚かれた護摩の煙が立ち上ぼり、低い読経の声が煙と共に流れ漂い満ちて行く。一人また一人と会する者が増え、各々深く平伏して参会の座に並び加わるのを見る。鈴の音や数珠の丸い響きが、遠く階段下の山門の前の辺りから微かに聞こえるラジオ体操の音楽と掛け声に交わり、都会らしい明るく元気な無常感をくれる。高齢の僧正がお役を終えて立ち去る際に皆に向き発した「おはようございます。」の太い、たった一言が何らかの終わりと始まりを知らせる。このように幕を開ける3月3日木曜日。
太陽はありがたい。特に朝日はありがたい。昔は眩しいと感じるだけだったのに。
震災の時に考えたことだが、発電のこと。新幹線に乗るような時、色々な時間の使い方があるが、大阪まで3時間、弁当など食べてぼんやりしたり、コンピューターで仕事をしたり。もしも新幹線の車両の1台に、スポーツジムのような自転車があって1、2時間こいでシャワーでも浴びてさっぱりしながら、自転車発電も出来たら健康にも良いのにと考えたことがある。100人位でこいだら新幹線の電気の足しになるかなどと。今日ふとその考えを思い出して、これは、スーパーマーケットやコンビニエンスストアの前辺りに設置して、発電した電力量をカードなどに記録し、その分割引になるとか、クーポンになるとか出来そうだなと思う。そもそもスポーツジム自体が全てのトレーニングマシンに発電のシステムを取り入れることは出来ないものかな。身体の維持や、健康的な体力作りでクリーンエネルギーを手に入れる。
四年に一度の日。
夕方になり、気分転換に外出する。青山骨董通りから少し奥に入った所でFOR、flowers of romanceのウェディングドレス展示会へ。岡野氏の、決して純白ではないオフホワイトのドレスの数々は、遊び心があり相変わらず美しく、デリケートな作りをしている。NATURAL CALAMITYの森氏も来場して、ドレスの話題よりも三人で音楽の話しをする。多分その様子はウェディングドレスにそぐわない感じ。たましいはラブ。
蒸しパンを作る。蒸しパンに、少しの天塩で茹でた小豆を入れて蒸しあんパンにする。その甘くない蒸しあんパンに少しの黒糖をふって食べる。胡麻油と醤油をつけるのもいい。
ミック・イタヤがデザインした dip in the pool / HIGHWIRE WALKER が
ミュージックジャケット大賞2016の大賞候補50作品に選ばれました。
3月10日 金曜日~4月8日 金曜日まで一般投票を実施しております。
ARTIST : dip in the pool
TITLE : HIGHWIRE WALKER
一般投票
①WEB投票
特設WEBサイト http://mja.jpn.com/ において、一般投票を受け付け。
実施期間:3月10日(木)10:00~4月8日(金)17:00
②特設会場投票
下記特設会場において、候補50作品の現物を展示し、一般投票を受け付け。
▶湘南T-SITE 1号館 2F 湘南ラウンジ / 藤沢市辻堂元町6-20-1
3月19日(土) 11:00~21:00
3月20日(日) 11:00~21:00
3月21日(月・祝)11:00~19:00
▶なんばCITY 本館B2F 時の広場 / 大阪市中央区難波5-1-60
3月25日(金) 17:00~21:00
3月26日(土) 10:00~21:00
3月27日(日) 10:00~17:00
▶HMV&BOOKS TOKYO 渋谷モディ6F / 渋谷区神南1-21-3
4月1日(金) 11:00~21:00
4月2日(土) 11:00~21:00
4月3日(日) 11:00~19:00
服は高級なものでなくていい。しかし、気の利いたもの、気の通うものでなくてはいけない。外気が衣服を通して肌から体内に浸透するように、人の有り様は肌から滲み、衣服を通して発散する力がある。服は媒体だ。自分に相応しい服を選び、服に相応しい自分がある。
絵を描きながら思うこと。描くということ以外に何も思わないこと。
朝起きると昨夜の「新世界」の余韻が残っている。それほど強力だったか、オバンドス、ミスキャバレッタ、小野瀬雅生、そしてペーソス。「新世界」という場所の履歴来歴、参加したメンバーのパーソナリティー、パーソナルヒストリーなどが妖しげに交錯して、スリッピーなタイムトリップをした。自分が身を置くには、とても安心しては委ねられない異次元の空間。昨夜のうちに解毒するには時間が足りなかった。酒を飲むわけでも、煙草を吸うわけでも無い分、加えて楽しくて夢中になる分だけ特別料を払うことになった。オバンドスのステージ参加心得に記しておく。