PICTURE DIARY 0412TU2018
BIG SACK展初日。朝からギャラリーへ、盛況を祈念して。パルサーを修理する人現る。
BIG SACK展初日。朝からギャラリーへ、盛況を祈念して。パルサーを修理する人現る。
いつものように落ち着きながらもてんやわんやの月曜日。朝の目覚めが一日を決定付けるように、月曜日の午前中が一週間の流れを決める感あり。BIG SACKの設営。写真を撮って帰り後で見ると、現場では気付かなかったことに気付く。明日朝修正しよう。渋谷の街を少し歩くが、やはり宇宙船の内部だ。
毎朝食べるミックスパフェ、季節と気分で変化するレシピ。少し大きめの変てつないガラスコップの底にまずコーンフレークとミューズリー適宜。ミキシングしたニンジン、タマネギ、シイタケ、トウフなど、量は気分で。甘味が欲しい場合はホシブドウかハチミツを加える。その上にゲンマイコとミューズリー、またはコーンフレークを挟み、さらにミキシングしたトウフ、アーモンド、シナモン、ユズ、甘味が欲しければハチミツかホシブドウ。分量は気分で。あとは適当にあるものをミキシングにプラス。ホウレンソウ、コマツナ、カボチャなど。先日はホシイモが入った。基本的にトッピングは無し。全部好きな食べ物なので、どう組み合わせても美味い。ただし、試してみたら?とは言わないMIX*PARFAIT。
小さな像を彫り始める。ここのところ、心持はWANDERER。トランクの底のボロを好んで着ている。ひとつだけ凛としたものを身に着けさ迷う。小さなにわか彫刻師は、どこか円空のようになれれば良いと身の程をわきまえず思う。
興味や所縁のある物事や人、それらが全て同じ方向を向き、行方を指し示しているようだ。そこにあるものは時代。
PRが下手。アイデアと製作に自信はあるが、管理や宣伝告知が苦手。得意なことに集中し過ぎて、気が付くと渦中にいる。とは言えいつものように出来ることをする。師走の足音が高らかに響き始めた。
キング・クリムゾン東京渋谷オーチャードホール。ロッククラシックコンサート。MCも曲紹介もなく、映像などの演出もなく、照明も1回だけ紅く染めた。客層の年齢は高く、女性は少ない。客席で頭だけ前後に揺れる。1時間半演奏し20分間の休憩後アンコールを入れて後半は1時間の演奏。男子トイレ長蛇の列。ロバート・フリップのギターがいかにも独特なのが分かる。曲をフォローするには3つのドラムセットが必要なのも分かった。仲間がいるというのは素晴らしいということについても分かった。アンコールの21世紀の精神異常者という曲は、正に今の曲だということも分かった。
急に暖かい。次の寒さに身構える。世の中に流れるニュースの陰で、ニュースにならない出来事があらゆる点で圧倒的。自分が直接感じることの出来る、身の回りの事象のつながりの果てに世の全てがある。中心であると同時に果てしないそれぞれ。明日、僕たちはどこかで出会い、挨拶を交わすかも知れない。世の基本的成り立ち。
何にせよぎりぎりになると文字通り窮屈になる。余裕を持って計画を立ててはみるが、進んで行くと切羽詰まる理由には事欠かない。馬鹿力を出して窮地を脱する自信はあるが、無理をすると喜びは少ない。少ない喜びを分かち合えれば良いが、大概は誰かが泣いている。師走の足音を聞いて想うのは、新しい区切りと、新しい年を健やかに福笑って迎える双六の目が、予定と予想通りに、ぴたりと目数を揃えてあがること。
夕方から酉の市へ。多くの人が穏やかに集う賑わいが心地好い。家内の安全、商売の繁盛を願う。
三宅 純コンサート、ブルーノート東京。ホールコンサートとは違い、ゆっくりと爆発するような印象。トランペットを吹く姿と、音の艶やかさはある次元と領域にある。言葉を交わす間は無かったが、目礼する。ヘイデンブックスでお茶。久し振りの近況報告。
創庫の傍らに根元に小さな鉢を付けたまま倒れたコニファーがある。先の台風で根元から折れて倒れ、もう駄目かと打ち捨てられていた。先日、創庫の建つ土地の草刈をしてもらい、てっきりコニファーも草と一緒に持って行かれたはずが、草をきれいに刈られた空地の真ん中に横たわり置き去りになっている。見に行った妹から連絡があり、原っぱの真ん中にあると目立つので、創庫の脇に引き寄せておいたと報告があった。そもそも母が鉢植えにして育てていたがいつの間にかぐんぐん育ち、プラスチックの鉢の底の穴から根が伸びて、鉢付きの地植えになっていたのだ。今日見に行き葉や幹に触れると、時間がかなり経つのだが、多少枯れてはいても青々として元気を残しているように感じた。物置小屋からナタを出し小さなプラスチックの鉢を割る。びっしりと根が詰まっている。シャベルを出して穴を掘り3メートル近く成長したコニファーを持ち上げ根元を穴に入れ植える。土を固めてたっぷりの水をやり、放っておいた詫びをして励ます。根が付くように祈る。
暦の上ではとうに冬ではあるが、徐々に冬の寒さになってきた。帽子箱の中に、かなり以前からグレイとブラックのボルサリーノがひとつずつあるのを思い出し、頭に載せてみる。この冬はこれかな。髪も少し白くなりこの季節に合う。
幾つかの打ち合わせ、終日出張。それぞれ充実順調。帰りに高速道路への道を間違えた他は。
平間写真館でフォトセッション。来年1月、平間氏の写真展に出展する写真のための被写体となる。撮られる側となり初めて解ることがある。何よりもその心地好さ、音楽性豊かなリズム感、スピード感、一方的ではないメロディアスな心遣い。NO LIFE NO PHOTO、互いの創造力が融け合う楽しい撮影だった。
七転び八起きとか三歩進んで二歩さがるとか、日記を書こうとしたら頭に浮かぶ。そういう意地っ張りな根性には少し距離を置きたいものだが頭に浮かぶ。常々苦労とか努力とか、言葉や態度に表さずとも、自然に日常の楽しみの中にあれば良いと思うが、確かに積み重ねとは、これで良いと思い積み重ねても、過去に重ねた下の方に正すべき過ちを見つけた場合、上から順々に積み重ねた何ものかをおろし、正すべきを正して重ね直すべきだろうというイメージがある。痛快ではあるが達磨落としのような訳には行かない。ゲームであればいずれ崩れる。美とはそういう面がある。
プランニングのいちにち。アイデアが出て来るときは、本当に素直。すぐに出ないときは、次へ。ネコたちの爪が伸びてカチカチとスパイクのような音を立てて歩いている。爪切りがあるべき所に見当たらず、アリスに聞くが知らないと言う。アリスはネイルやエステ好きだが、爪を短くされるのは好まない。多分、どこかに隠したに違いない。王様のナイスも知らないとなると厄介だが、もとより爪切りなどもってのほか、というナイスの素振りは知らんぷりに見える。王様の機嫌のよいときに、それとなくたずねてみよう。なにしろ、領土内での出来事の全てを知らないと気の済まない王様だから。
夕方外出。渋谷駅周辺を見下ろす食堂で夕食。窓外を見ながら、建物の間から窮屈そうに天上に広がる夕空と数本の街路樹、歩道を行く大勢の人の身体を除いて、後は全て人工のモノ。街は自然を被う鎧。こんなに沢山のモノを作る人間。この景色は既に宇宙船の内部ではないのかと思う。
茨城デザインセレクション表彰式。県知事賞や選定賞、奨励賞の授与と皆の喜びの場であると同時に、選考委員としての責務の発表と交流の場でもある。多くの製作者と協力者に出会う。東京に戻り、渋谷HYSTERIC GLAMOURでのパーティーに。80年代ロンドンのバッファロー流れ、ヘアカットサロンの写真集「CUTS」発表記念パーティー。北村氏に挨拶。タケ先生、四方さん、セージさんに会う。レアで懐かしいロンドンの香りプンプン。
先日、星のアトリエのキッチン辺りがどうもガス臭いので点検に来てもらった。案の定、ガスメーターにつながるガス管のパッキンが古くなり、微かなガス漏れがありすぐに修理してもらいホッとした。ところが今日、またガス臭い。この間念入りに点検したたばかりなのに、と訝しく思いながら係員に来てもらい、点検したがどこにも異常は見られない。不意に係員が外に出て、すぐ戻って報告するには、アトリエの前の道をはさんで生垣があるが、榊の木の一種で、この季節になると白い小さな花をたくさん付けて香りを発する。その香りがガスの匂いにそっくりで、我々は「ガスの木」と呼んでいますと。なるほど外に出てくだんの生垣の花を嗅いでみるとガスの匂い。榊の木がこの世界には先に存在していただろうから、ガスが榊臭いということで。
おこもりのいちにち あさからばんまでほしのあとりえのなかをすみかとする うごかないのでおなかもへらない あせることもないのでのどもかわかない こまごましたしごとをちょこまかとかたづける そなえあればうれうこともなくすすめる おおきなしごともちいさなしごともみんなひとつのしごと ひとつひとつていねいにみがきくみたてる そんなやりかたときもちがうつくしくよいものになる
仕事には常に締切があり、締切がなければなかなか進まないものだが、締切を強く意識し過ぎると、あるいは締切までの段取りが曖昧だといつも同じパターンの夢を見る。締切なのに絵が出来てない!という夢ではなくて、ミュージシャンでもないのに必ずステージに立つ夢だ。ある時は曲を忘れ、ある時はドラムセットのパーツを失くし、ある時はおかしな格好で、あたふたといった具合。昨夜はまた同じパターンの夢を見たのでここに記す。先日ミュージシャンの友達にステージに立って曲を忘れるような夢を見る?と尋ねたら、締切なのに絵が出来てない!という夢を見ると返される。
いつも今が一番新しい。
来週来月来年に向けてのプランと絵を描く。過去現在未来という最新で永遠の主題に沿って想いを巡らし作画する。
行楽日和。ここのところ毎日予定で埋まっているのだが、気分を行楽モードにして寸暇を作り楽しみ、切り替えを早くする。基本的にのんびり屋なので、尻に火が付かないと動かないところがあるり、自覚はしていても生まれながらの性質は変わりようがない。諦めるのではなく、認めて歓迎している。
絵画や工芸など、美術の未来に想いを馳せる。簡単ではない方向に歩む。気短な気持ちを気長な旅へと向かわせる。人生は出会いで決まり、お互いを無言で語る。どれだけの人や物のお陰で今を生きているのだろう。宇宙の全体に生き生かされている。
MESSAGE BAG
“BIG SACK”
EXHIBITION Vol.2
12.4 Tue.-12.18 Tue. 2018
TOKYO CULTUART by BEAMS/HARAJUKU
11:00-20:00 Open Everyday/Last Day Close at 18:00
四方義朗氏プロデュースにより、昨年9月にVol.1を開催した「MESSAGE BAG “BIG SACK” EXHIBITION」。今回は原宿のトーキョー カルチャート by ビームスに会場を移しVol.2を開催いたします。美しいもの醜いもの何でも飲み込む大食いバッグ“BIGSACK”は、新世代のミッションを提示、アーチスト達からのチョーエツでレアなメッセージバッグです。
本展では、大きなキャンバス地のランドリーバッグに、参加アーチスト達が自由に時代のメッセージを表現、それぞれの言葉や絵や写真やコラージュが鮮烈で静音なエネルギーで“BIG SACK”を通し発信されます。会期中には参加作家によるイベントも開催、ぜひこの機会に作品の数々をお楽しみください。
EVENT イベント当日に限り、その場でお好きなデザインをシルクプリントいたします。また、ご希望の方には来場アーティストがその場でサインをいたします。各日14時ー16時まで。
来場アーチストは予告なく変更する場合がございます。店舗スタッフまでお問い合わせください。★ 12.8 Sat. きしくり、TAKUYA、立花ハジメ、ミック・イタヤ
★ 12.9 Sun. 伊藤桂司、酒井綾子、サラーム海上、平間 至
★ 12.15 Sat. 甲田益也子、しりあがり寿、真舘嘉浩
★ 12.16 Sun. 信藤三雄、那須慶子、太田陸雄+四方義朗PRICE All Cotton Canvas 100% Size 60×48cm Made In Japan
Specially HANDMADE ¥28,000 +TAX
Specially PRINTED ¥14,000 +TAX
Specially PRINTED on THE EVENT ¥14,000 +TAX
PLAIN ¥8,000 +TAX
INFORMATION www.beams.co.jp/tokyocultuart/
MAP
イマジネーションの滞ることがあるもので、今がその時。全体が、ということではなく、特定の方向が。例えれば、ちょっとした物忘れのような感じ。素晴らしい出来事があり、微に入り細に入り覚えているのだが、肝心要な人の名が思い出せないような。ぼんやり考えていても無駄なので、他の出来ることを進めるが、空白は埋まらずご神託もなく。全て忘れて放って置けばよいかとも思うが、本当に忘れるから困る。努めて気楽に。
立冬。暖かい。蝉が鳴き若葉が芽吹いているという。あらゆる存在は、それぞれが変化の中で生きている。一人で食事をしていると、いい加減な食べ方をしていることに気が付く。食べるのは生きるためなのだが、もう少し品があるとよい。ときどき慎独という言葉が浮かぶ。一人で居る時にも常に美しく佇まうように。近くに誰も居なくとも、この世界に自分一人ではない。
キーシン氏と待ち合わせてピアノをゆっくりと聴く。ただし、エフゲニー・キーシンが待ち合わせたのは僕以外に二千人以上もいて、キーシン氏はそれら全ての楽友たちに満遍なく最高の演奏を贈る。拍手鳴り止まずサントリーホールはスタンディングオベーション。カラヤンが若きキーシンのピアノに感涙し、楽屋を訪ね、母親に「息子さんは天才です」と言った逸話は有名だが、確かに天才だ。その天才を自身で裏付けてきた知性を感じる名演だった。
茨城県庁での伝統工芸品展初日。県庁職員の方々や、県庁にご用のお客様方が立ち寄り、午前中から取材など受ける。東京にとんぼ返り3331のILLUSTRATION WAVE展作品搬出。間に合う。展覧会を取り仕切った杉山氏、高橋氏と短い歓談後辞す。
明日から茨城県庁で始まる第35回茨城県伝統工芸品展の搬入と設営。茨城クラフアートのスペースを監修する。来年1月18、19、20日の三日間、青山スパイラルで開催する茨城クラフアート展への助走となる。
文化の日。文化勲章授賞式のニュース。百歳になって欲しいと思い授かるものでもない。ベートーヴェンのピアノ曲を聴きながら仕事する。古典主義からロマン主義にまたがる贅沢な時間。展覧会内容を文章化する。何かをゆっくりと考えることが出来るのは、土日祝日の利点。短時間でまとまる。
朝早くからMUMICのための絵を仕上げにかかる。デザインの幾つかの仕事、小さなミーティングや事務的な仕事とやり取りの横糸を重ね、丈夫な縦糸を貫く。この頃特に、絵のためにまとまった時間を用意して、集中的に描くのが理想ではあると思うが、違う方向への集中を切り替える速さと、バイアス的に自在な出入りを身に付けている。のんびりに見えても、のんびり出来る仕事はない。
このままの速度なら未だしも、加速度的に師走から聖夜、正月へと突き進むのだろうが、その手には乗らない。
朝から寸分の空きもなく予定で埋まる間を縫ってキャンバスの下塗りをしたり連絡事項のやり取りをしたりとこの日記にも句読点など入る隙間もないがアイデアやプランは素早くメモする気が付くと夜
庭の柚子の木に既に色付いた実が鈴生り。厚手の手袋をして、棘から手を守りながら収穫する。柑橘の酸味と香りのなかでも柚子が好きで何にでも搾り掛ける。板谷波山記念館で「ふるさとへの贈り物」展を観る。亡き神林夫妻の40年に渡る波山コレクションが、ご夫妻の希望により全44点、波山の故郷下館に寄贈されたお披露目の展覧会。神林夫人の茶道具としての使用を念頭に収集された陶芸作品の数々は、明確な意図で統一されている。陶聖波山の真っ直ぐな洒落の趣や、京友禅の考え方や技法を陶芸に取り入れるアイデアなど、多岐に渡る興味や知識を昇華したプロセスを感じることが出来る、意義深い展覧だ。
machiko jinto london 10周年と本の出版記念パーティー。グランド・ハイアット・トウキョー。不思議の国のアリスをモチーフにして会場を飾り、ファッションとフォト、ミュージックをベースに演出した素晴らしい大人のパーティー。タケ先生、布袋氏、ヤッコさんとも久し振り。マチコさんに大きな感謝。
BIG SACKにメッセージを描く。「Miracle」の文字がたてがみになった我が友Unisus。一緒に遊び、星の彼方へ、そして心の奥底へ飛ぶメッセンジャー。
仕事用の眼鏡を落し、当たり所が悪くフレームのテンプル部分が割れ、レンズが飛んだ。眼鏡屋に見てもらうと、レンズには多少の傷はあるが、フレームは修理不能なので取り替える必要があるとの見立て。幸い店に同じフレームのストックはあったのだが、不幸にも手元不如意。現金決済の店なので取置きを頼み不注意を反省しつつ辞す。
四方義朗、Red Shoesでデビューライブ。行くところまで行く!と宣言。いつまでも手本。店に集まったたくさんの昔馴染みに会う。シャンパンとロックの夜。来春来日するブライアン・フェリーと一緒にどうかな。敬称略。
ILLUSTRATION WAVE展搬入。222人の作家が出展する大規模な展覧会。外神田の3331にて27日土曜日から。俯瞰する視点と幅広い表現の仕方、ジャンルやカテゴリーにこだわらず仕事をして来た。そんなやり方に時代が微笑もうとしている。今、目指すのは、表現ではなく生き方。
絵を描く一日。遠い昔を想い、今を感じ、遥かな未来を想像して筆は走る。目の前を通り過ぎる絵は、見る人の傍らを駆け抜け、天空から来たモチーフは、翼をゆっくりと動かして一直線に進む。人々は展覧会場で同じものを見るが、見たものはそれぞれにとり違うもの。傍らを音も無く過ぎ去ったものの正体について、言葉を交わしてみれば解るだろう。同じものを見た気がするだけで、それぞれの答えは違う。絵に導かれて何処までも進む。
星のアトリエのテーブルの上で、先日皆で収穫した柿が山盛りになり、おおらかな故郷の秋を、甘い柿色のフィルターを通して謳っている。だんだんに熟していくので、硬いの軟らかいの、好みはそれぞれに。以前は硬いものが好みだったが、今はどちらも楽しむ。
ちあきなおみの歌はやはり凄い。朝から聞き惚れて一日が始まる。絵を描く、バルテュスブルーで。素晴らしい青。バルテュスの注文で作られたローマの小さな画材店の青。
ILLUSTRATION WAVE展に出品するための絵を描き始める。出品予定の作品は決めているのだが。新しい絵が描き上がったら相応しい方を出そうと思う。最終搬入日が来週の木曜なので間に合うかどうか。予定の合間を縫って正味2日あるかないか。ぎりぎりまで最善を尽くす。
夕方外に出ると、北西の空が黒い雲に覆われている。少しずつ近付くように見える。いしおかで蕎麦を待っていると、おかみさんが奥の卓を片付けて、横を通りすがりに小声で「降ってきました」と言う。耳を澄ますと微かな雨音が聞こえる。止むまで待てるような僕でも雨でもなく、合羽がありますよとご主人の勧めも断り、来たように自転車に乗り帰る。少しは冷たい雨だが、大袈裟な濡れ鼠になるわけでもなく。
F80号のキャンバスをピンと張って叩くと鳴りが良い。甲田さんが星のアトリエに来て、BIG SACKの相談と世間話。来年5月のdip in the poolパリ公演のことなど。GONTITIのマネージメントから連絡があり、12月に40周年記念アルバムが発売されるとの知らせ。楽しみな話題。
一日のうちにするべきことは、不確定なイメージの部分も含めて予定してはいるが、朝食を摂りながら思い付いたアイデアが秀逸で、そのスケッチを始めたら夕方になった。夢中になれることの強さ。入口がシンプルで素直なら熱意が生まれ易い。