PICTURE DIARY 2709TH2018

pd20180927s
昼過ぎ、その街に用事があれば、たまに寄るケーキ屋で、隣のテーブルの女の子が電話をしながらひっそりと泣き出す。後ろのテーブルの青年は、ひとりで4つのケーキを並べて眺めながら、試すように、黙々と食べている。泣く女の子の向こう隣の外国人女性2人は、何となくいたたまれない様子でそそくさと席を立つ。拍子に女の子の座る椅子にバッグを当てて、小さく詫びながら。美しく作られ、デザインされた色とりどりのケーキを眺めるだけで、めったに食べはしない。好みの茶を飲み、店内の微かに甘い香りと、美味しいものをいただく人々の幸せな様子と、店主が修行して携えた微かなパリの空気を楽しみにしている。青年はスイーツ好きなだけなのか、それともパティシエを目指しているのか、目の前にある美味しい細工に集中しているようだが、落ち着いて店の空気や甘い香りを楽しめようはずはなく、テーブルが空くのを待つ人がいる様子なのでそっと店を出る。今日のケーキはソルティ。

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