PICTURE DIARY 2707FR2012


夕方のまだ暑い中、ブルネさんが黒いワゴン車を運転して星のアトリエに来る。二人掛けの赤いソファーに愛し合う男女を描いた2004年の作品”LOVE SOFA”を運びに来てくれた。暫くの間ブルネさんのショールームに飾られることになる。ブルネさんは数社のブランドのプレスを担当なさっているので、美意識の高い様々な方々にご覧いただけると思う。ファッションやデザイン、アートには元々何ら垣根も距離も無い。ビジネスであるし、専門的な仕事であるから分けて考えるようになるのだが、元来、美的な表現を享受し表現しようとする場合、分け隔ては存在しない。ブルネさんは、ご自分のショールームを小さなサロン風の美術館にしたいと思うのだ。音楽も含めて、気に入ったアートやデザインやプロダクトの作品を並べ、自由に眺めて手に取り、使用したいと思うのだ。見るべきものはきちんと見、聴くべきものはきちんと聴く。ブルネさんのころころと転がる珠のような素敵な声でお願いをされると、大概断ることは難しい。ワゴン車内のギリギリ一杯に赤いソファーを積み込んで、座席とハンドルの間に挟まれて、小さくなったまま運転しようと無茶をするブルネさんのビッグスマイルにつられて大笑いする。全く天職だなと思う。

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