PICTURE DIARY 2409MO2012
この間まで星のアトリエに在籍していたM女史に男の子ができた。H君はまだ9ヶ月の小さな紳士だが、テーブルを両手で叩いてリズムの研究をしたり、手の甲や指を吸ってラッパの練習をするのが最近のご趣味のご様子だ。音楽に造詣が深いらしい。初のご訪問ではあらせられるが、臆することなくご自分の意志を素直に表して場を和まし、盛り立てる。遠慮なく星のアトリエ内の有り様にご興味を示し、どうやら新しい知識をたくわえ、いにしえの記憶をたどり、何かを思い出すような顔付きをお見せになる。まだ歩くことがお出来ではないので、ご本人としてはややご不満があるようではある。が、しかし椅子につかまり立ちはお出来で、堂々とご自身のお姿をお示しになる。お顔はなぜか泣き顔に変化してしまうのがご本人としては無念のご様子だ。星のアトリエの諸公や主に代る代る身を委ねられ抱き上げられ、祝福を受け記念の写真を撮られるのだが、なかなか良いお顔を撮らせない。写真を撮る者にあらゆる意味で高いレベルを要求なさる。サッチモ、昔のJAZZの音楽家ルイ・アームストロングの真似がお上手なので皆を唸らせるが、本人直伝だとは誰も思わないだろう。見事なお耳に可憐な頬に、誇り高い男子の魂が現れている。「また来る。」と無言で言い残して、母なるM女史の押すベビーカーの人となった小さな王様は、遅めの午後の日溜まりの中を、厳かにご自分の居城にご帰還なされた。
ミックさんの才能は,アートだけじゃないですね。
文才もすばらしい。
偉大なイマジネーションの持ち主だからなせるワザですね。