PICTURE DIARY 2011WE2013

PD20131120s
ボリス・ベレゾフスキー、ピアノリサイタル、東京オペラシティコンサートホール。19時。現在、ラフマニノフを弾いたら、この人の右に出る者はいないのではないかと思わせる。体躯もラフマニノフがそうであったように、身長は2mを越え、がっしりとピアノの前に座る様子は揺るがぬ岩山のようで、その長く頑丈そうな両腕は、鍵盤の右から左へ、左から右へと、ほとんど上半身を左右に動かすことなく、安定感を持って軽やかに踊り、楽々と弾きこなす難曲の数々が心地良く伝わって来る。大きいはずのコンサートグランドが小さなピアノに見える。音の響きも然り、迫力がある。そしてさらに繊細である。眼を見開いていたいのだが、音楽の波動が眠りに誘う。まどろみの中、体の隅々に染み入る音符の行方は、ゆっくりとめぐりながらここに。ずっとある。
PROGRAM:ラフマニノフ/前奏曲変ロ短調op.32-2、前奏曲ホ長調op.32-3、前奏曲ホ短調op.32-4、前奏曲ト長調op.32-5、前奏曲イ長調op.32-9、前奏曲ロ短調op.32-10、前奏曲変二長調op.32-13、ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調op.36 ドビュッシー/前奏曲集第1巻から/1.デルフの舞姫たち 3.野を渡る風 6.雪の上の足あと 7.西風の見たもの 8.亜麻色の髪の乙女 9.とだえたセレナード 12.ミンストレルズ ラヴェル/夜のガスパール/オンディーヌ、絞首台、スカルポ
アンコール:ドビュッシー/映像、第1集より「水の反映」 チャイコフスキー/四季より「10月秋の歌」 レピコフ/ワルツ ドビュッシー/映像、第1集より「運動」 ショパン/練習曲第1番

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