お宅とうちの土地はこの小路を挟んで全然違う、という立話の流れで、小路を挟んだ隣の表具師の大旦那に、古地図を見せてもらう。大正三年に区画整理した時のもので、小路を挟んで向こう側の表具屋は蓮田や養蚕地を整地し区画整理した新しい土地、こちら側は城下町のはずれの古くからの土地と記されていた。江戸時代中期の地図も見せていただいたが、表装したその地図は特に美しく、江戸文化の美意識が香り立つようだ。昔のことを知る人の話をよく聞き、今ここに居る意味を知る。
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