PICTURE DIARY 1203TH2015
新しい旅の夜明け前、空はまだ濃い群青の眠りの中で静か。目覚めを待つ鳥たちも、囁くこともなく啼くことも、さえずることもなく夢の中に居る。夢の中で戯れる、有翼の一角獣と太陽の仮面を待つ天使、お互いを求め合い回転する少年と少女。カップに充ちた飲み物の湯気の向こうに、まだ黒に限り無く近い灰色の街並みが、夢見ることもなく眠っている。こんなに早く起きるのは緊張のせいだろう。もう一度眠るには遅く、起きるには早い。時計を見ながら太陽の鏡に写る薔薇の花をぼんやりと眺めている。新しい旅に乗り遅れないように。