PICTURE DIARY 0902TU2016

PD20160209s
日本橋人形町の洋食屋、二階の座敷で昼食をとる。三人それぞれに弁当、カキフライ、グリルドチキンを頼む。食後に名物のプリンということになり、二人はコーヒー、僕は紅茶を注文しようと、中居を呼んで「コーヒー二つと紅茶一つ」と言うと、「紅茶は不味いよ、コーヒーにしたら、ここだけの話しだけど」と小声で言うものだから、三人共、えっ!と声を揃え、顔を見合わせて大笑いする。そんなことを言う中居は居るものではない。そう言うと決まり悪そうに笑いながら、さらに真顔で「不味いのよ」と言うものだから、これはいよいよ絶対に注文しなければならない。果たして件の紅茶が出て来てみると、香ったところ、香りはそれほど強くはないが、まあ普通といった範疇であり、一口含んで味わうと、これがすっきりとラプサンスーチョンの歯医者風味に近い感じの曲者だが、口中を洗い気持ち良く、僕は好きだ。中居にそう言うと、えーっ、という反応だったが、多分、紅茶だけをいきなり飲むと、ちょっと癖のある風味に、舌の根までスキッとし過ぎて不味いと感じるかも知れない。コーヒーであれば問題は無いのだろうが、たっぷりこってりした洋食の後には、これが絶対に必要な紅茶の姿なのだ。中居は、自分の店の洋食を食べた後に紅茶を飲んだことがないのだろうと思う。洋食の老舗、名店のクックが、わざわざそんなに不味い紅茶を理由も無く選ぶ訳が無いではないか。

Leave a Reply