PICTURE DIARY 0704SA2012
前衛の華道家、中川幸夫氏逝去の報。悼む。中川氏について多くを知る訳ではないが、華道家としての、あるいは芸術家としての表現には、単なる美に留まらない大きく深淵な感銘と尊敬を感じていた。世界にとって宝のような存在であっただけに、96歳というご高齢で、天寿を全うしたということではあるかも知れないが、惜しい。表現する者にとってみればここまで、ということは無いのだから。ただ、今となってはご冥福をお祈り申し上げるのみだ。最晩年の作品はどのようなものであったのか。作品集や先年のVACANTにおける作品写真展などで知る限り、その気力、活力は制限されたものであるにせよ持続したであろうと思うが、親交のあったsageさんに機会があれば尋ねてみたい。花なるものを根本から解釈し直して、深く軽妙に、力強く優しく、さらに愛情を持ち厳しく、無慈悲に、なおも底知れぬ愛とユーモアを持ち稀有の領域に旅した。美の世界の可能性を押し広げてくださった。本当にありがとうございます。