風が吹くと、森の樹は幹ごとゆらりゆらりと揺れて船のマストのようだ。船酔いしそうだが、ぼんやり見ていると気持ちがいい。森の小道を歩いて行くと、根元から折れて倒れた大木が道を塞いでいる。とうせんぼということかと思いながら、ごめんなさいよと越えて行く。小道の先には大きな岩や小さな岩が崩れ落ちている。森の様相が少しずつ変化して、険しい表情のように思えるが、いつも季節はそうっと、そしてがらりと変わる。
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