PICTURE DIARY 0307WE2013

PD20130703s
幼い男の子の、洒落た可愛い麦わら帽子が風に飛ばされて、歩道から車道へと道を転がって行く。その男の子の母親や連れの女性、近くに居た初老の男性やそのお仲間、信号で停車したセダンの女性は後部座席のドアを開けて、男の子の麦わら帽子を追いかける。ほんの何秒かの時間と、連れの女性がよたよたと転がる帽子を捕まえた時の、皆が一斉に見せた安堵の笑顔が、無言の劇となってぼくの車のフロントウィンドウの向こうにある。にわかに雨がぱらつき始めた遊歩道の、大きな木が傘のように枝を広げたその下の向かい側のベンチに、二人の少女が座り、後ろの屋台で買ったクレープを食べ始める。2、3羽の鳩がおこぼれにあずかれないかと近くに寄って行く。「足ってなんで赤いの?」。「ああん?」。「あたしさあ、ハト嫌いじゃん、なんでかなと思ったら、赤い足がね」。「はうん…」。

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