PICTURE DIARY 0305FR2013
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン2013。昼、東京国際フォーラム、ホールAでラムルー管弦楽団。フェイサル・カルイ指揮「パリは踊る」と題するコンサートを聴く、観る。「亡き王女のためのパヴァーヌ」ラヴェル、「交響詩 死の舞踏op.40」サン=サーンス、「ラ・ヴァルス」ラヴェル、「ボレロ」ラヴェル。アンコールに「カルメン前奏曲」ビゼー。それぞれ舞踊をイメージして作曲された曲で構成されたプログラム。ベラスケスの絵にインスパイアされ、パヴァーヌを踊る幼い王女をイメージした「亡き王女のためのパヴァーヌ」。真夜中に死神の奏でるバイオリンに合わせて死者たちが踊り出す「死の舞踏」。ウインナ・ワルツをモチーフに雲の上から煌めくシャンデリアの下を優雅に旋回するヨーロッパの貴族社会を、敬愛を持って映し出す「ラ・ヴァルス」。スター・ダンサー、イダ・ルビンシテインの依頼で作曲し、2つのメロディだけで成立させた、言わば実験音楽のような「ボレロ」。楽器のソロパートが次から次へと回されて、徐々に盛り上がる、現代ではお馴染みの曲ではあるが、ラムルー管弦楽団は「ボレロ」を初演した楽団であり、フランスの、フランス人の伝統とでも言うような演奏の個性や雰囲気を、充分に感じ取ることが出来たと思う。美しく踊りながら散歩する、歩みの楽しみがある音楽。大好きな「ボレロ」の淡々としたうねりが洒落て洗練された演奏で顕されている。指揮のフェイサル・カルイは、各楽器のソロパートでは一切体を動かさず、指揮者の動きを見せない。そんなところも好きだ。夕方、教会で、あまりに美しい讃美歌を、感謝を込めて聴く。