PICTURE DIARY 0303TH2016
早朝の寺、本堂の開かれた扉から一筋の光が射し込む。焚かれた護摩の煙が立ち上ぼり、低い読経の声が煙と共に流れ漂い満ちて行く。一人また一人と会する者が増え、各々深く平伏して参会の座に並び加わるのを見る。鈴の音や数珠の丸い響きが、遠く階段下の山門の前の辺りから微かに聞こえるラジオ体操の音楽と掛け声に交わり、都会らしい明るく元気な無常感をくれる。高齢の僧正がお役を終えて立ち去る際に皆に向き発した「おはようございます。」の太い、たった一言が何らかの終わりと始まりを知らせる。このように幕を開ける3月3日木曜日。