PICTURE DIARY 0812TU2020
来年は丑年、牛を描く。牛はゆっくり、ゆったりと草を食むイメージがあるが、闘牛のように力強くもある。どのような丑年となるか啼き真似る。モー、モゥ?モーッ!
来年は丑年、牛を描く。牛はゆっくり、ゆったりと草を食むイメージがあるが、闘牛のように力強くもある。どのような丑年となるか啼き真似る。モー、モゥ?モーッ!
我々には過去の遺産を継承し、未来に届ける勤めがある。先達が残し、伝えようとしたことを感じるのが大切。現在の経済的価値観では推し量りようもなく、母の愛のように、何物にも代えがたい。
個展会場に居る時間、心地好い。作品を見守り見守られ、会話するように過ごす。
とても寒い感じがする。心まで冷やさないように氣を付けて。この世情では、それぞれがそれぞれの立場でそれぞれを思い遣る、柔らかで大きな心持ちが必要だ。
古いものの中に新しいものが潜んでいる。浮かび上がる影は、いつも潜むものよりも大きい。虚飾を拭い去り、実を採る果樹園。
すずも提灯に明かりを入れる。古いものと新しいものとが出会い、暗闇を照らす。照らし出されるものの意味が浮かび影を映す。ゆらゆらと。
これが今の精一杯か。開催中の個展に到る経過を顧みて、あらためて思う。もっともっとと言えばきりがない美の世界。最善を尽くした状態は素晴らしく、並ぶ作品に次が見える。美の喜びを現し届ける。
COSMYTH3 PEACE PIECE展初日。在廊は諦めていたのだが、館長にご挨拶をとギャラリーへ行く。見にいらしたお客様と深い話が出来、顔を出して良かったと心から思う。通じ合う者同士は通じ合うもの。
WAVE2020搬出日、COSMYTH3搬入日と重なる。重なるはめでたい。PEACE PIECE展では2018年のUNISUSと2020年のUNIDOVEを初めて対で展覧する。印象が楽しみだ。人のイマジネーションは、時間や空間を軽々と超える。難しい作法や儀式はいらない。
個展、明日の搬入に向け準備。4月の予定を12月に延期したが、4月の状況より事態が好転しているとは言えず。再度の延期や中止も考えたが、この世情、見る人が見る、そのことに大きな意味があると思い直す。愛や平和を求める氣持ちは皆一緒、そのかたちはひとつではない、そこに真の個性がある。
創庫に提灯と絵を取りに行く、来週の出番のために。夜、ギャラリーつついの外観を見に寄る。片流れの屋根の切先に月がかかり幽玄。壁面に取り付けるレリーフの確認をする。イメージのとおり美しい。進める。
一筆一筆一心に絵を描く一日。
久し振りに雨が降り、庭の草木が喜んでいる。そんな様子を愛でる。だが、大雨のところもあり、喜んでばかりもいられない氣持ちになる。好いことも困ったことも背中合わせな今日の雨。
描きながら無音がよい場合もあれば、何か音が欲しい場合もある。良い音楽でなければ聴かず、合わない音では思う絵にならない。線には波動があり、乱れを嫌う。話す人の声質も同様。レコード針が溝をなぞり音が生まれるように、描線から音が聴こえてくる。それが理想だ。今時はそういうアプリケーションがあるだろう。
昨日に比べればとても低い氣温だが、ここのところの暖かさに馴れた身体には寒いという感じがなく、太陽が傾くころ、ふと寒さに氣付く。何日か前の夕方の西空に、面相筆でさっと描いたような細く切れのある三日月を見た。閉じた瞳のような。
新しいことにトライする。イメージの中では上手くいくはずだが、実際に試すと思うようにはならない。氣を取り直し、美意識の許す範囲でアプローチを変える。アイデアと思考の振り幅が決め手。単純だがそんな試行錯誤の連続。やはりいつでも通過点。
すでに新しい年に向けて、物事は進んでいる。一年の帳尻を合わせるかのように。師走に入ればさらに加速する。毎日の全ては途中経過だが、年末年始や誕生日の前後は大きな節目になる。連面と続く日々の成果を顧みて、明日につながる生活を編もうとする。
少し風が吹く。出入口の辺りを掃除にと箒を持ち外に出るが、木の葉が風にくるくると舞い、木の葉集めのゲームのようで可笑しい。毎日の掃除の意味は、綺麗にするというのはもちろんだが、それ以上に、心を穏やかに解きほぐす役割がある。
出来事は、一日経つと落ち着く。時間と共に感情の昂りが消え、相応しい反応が出来るようになる。仕事など直感で生きる部分が大きいので、素直といえば素直でよいが、ダイレクトでクイックな反応をしがちになる。いつも一呼吸置くのが大事だと思う。
自分を愛するのは大切だが、自分のことしか考えないのでは困る。人を愛するからといって、その人のことしか考えないのも困る。困るは困る。女神の頭像を五点スケッチした。氣の強そうな顔をしている。困るとうこととは縁遠いお転婆で神聖な、慈悲深くコケットのある横顔が微笑む。シンプルなスケッチの構図に、他に何が必要であろうか。
開催日:2020年12月4日・5日・6日
時 間:18時30分〜21時30分
会 場:有形文化財 kudan house
九段ハウス千代田区九段北1−15−9
問い合わせ:Contrapuntal株式会社
ジョーンズ栄理子 erikomaui929@gmail.com
Benjamin Skepper contact@benjaminskepper.com
人生=ダンスなら、からだ中の細胞をぜんぶ踊らせたい
★Contrapuntal by Benjamin Skepperとは
日本語に直訳すると「対位法」。音楽理論のひとつで、複数の旋律を、それぞれの独立性を保ったままで調和させる技法です。ベンジャミン・スケッパーは、チーム「Contrapuntal by Benjamin Skepper」において、アーティスト、クリエイター、卓越した才能を持つ発信者たちに独自のアプローチ方法でそれぞれの世界観を共鳴させ、広く拡散する活動に取り組んでいます。
★A TASTE OF THE SENSESについて
「Contrapuntal by Benjamin Skepper」がプロデュースする五感を刺激するセッションであり、それにふれた人々にエモーショナルな時間を届ける国内初のイベントです。
第一の目標は、日本人には難解なものとしてとらえられがちなアートという存在を身近なものにすること。第二の目標は、各アーティスト、各クリエイターが “発信するモノ、コト” に独自の方法で化学変化を起こし、新しい価値観を想像すること。最大の目標は、イベント参加者全員がエモーショナルな気分になること。
万華鏡をのぞいた瞬間のような、エモい時間をプレゼントします。
※今季をセッション1とし、年4回のセッションを実現いたします。
<セッション1 メンバーと内容>
各クリエイターのセッションをスタンディング形式で体験
飲み物:POMMERY社のシャンパーニュ「ブリュット・ロワイヤル」
COEDO BREWERY社COEDO BEER料 理:ベリッシモ氏による料理「ダ・ヴィンチの食卓@ベンジャミンの調べとともに」
フィナーレ:ベンジャミン氏の演奏とダンスセッション
ベンジャミン・スケッパー/クリエイティブディレクター, ミュージシャン, アーティスト
メルボルン生まれ。2歳よりクラシック音楽を始める。ライブ、国内外のブランドのアートディレクション、サウンドコンポジションなど、幅広く活動中。https://benjaminskepper.com/
■各ゲストクリエイターを総プロデュース。
大倉正之助/能楽師, 文化庁日本遺産大使
能楽囃子大倉流大鼓重要無形文化財総合指定保持者
■ベンジャミンの創り出す音と大鼓のセッション
ベリッシモ・フランチェスコ/料理研究家, タレント
シカゴ大学研究員とともに古代ローマおよびルネッサンス時代の食事を復元、研究し、アメリカやカナダなどでイベントを行なっている。
■レオナルド・ダ・ヴィンチが食べていたとされる「ダ・ヴィンチの料理」を提供
杉原眞知子
未生流、スペインに花留学。海外生活を経て平田暁夫氏に装花を学んだ後、刈米義雄氏に師事。
ファッションショー、舞台他、長谷工モデルルームやHOYAクリスタルなど多数の店舗ディスプレイ、”FURLA“展示会、浅草寺“観桜の会” 六本木ヒルズ「麻布 久徳」内装飾など多数参加
ミック・イタヤ/ビジュアル・アーティスト
ユニクロ創業時のビジュアルを担当、ソラマチの壁画やオブジェを創作するなど、国内外で活動するアーティスト。
■GOODDESIGN賞を受賞した「すずも提灯」を会場内にデコレーションし、幻想的な空間を演出する<参加DJ>
DJ AMIGA
DJ SEI
VJ Satoshi/Union Japan・Asia及びLPM JPの代表, VJ プログラマー
幕張メッセやRock in Japan Festival Count Down Japan,リオ五輪演出チームに参加ポルトガルのUniversity召還し、Dome映像ワークショップを日本プロジェクションマッピング協会と共同開催した
Banksy Artを使用したマスクが登場!
覆面アーティスト・バンクシー(Banksy)のグラフィティ写真を使用した
ブランドコラボを展開するイギリスの会社とfab Japanの初のBanksyアートマスクがBenjamin SkepperのArtイベントで登場します。Contrapuntal(コントラパンタル)の展開していくArtイベントで登場するBRANDALISEDのグッズの売り上げの一部は復興支援、LGBTQ+、医療、環境問題などテーマに合わせて寄付していく予定です。
緒方秀美/写真家
NYで多くのアーティストと交友があり、CDジャケット、ファッション、雑誌、広告界で活躍。スピード感のある作風、内に秘めた真の姿を一瞬で見抜きカメラに収めていく類い希な技術は多くのミュージシャン、クリエーター、アスリート、世界のセレブから多大な支持をうけている
九段ハウス
1927年に建造されたスペイン風建築物。新潟県の武家の子孫、山口萬吉のために建てられました。2018年有形文化財に登録され、元の仕様そのままに現存しています。同年より、会員制ビジネスイノベーションの拠点「kudan house」として新たなスタートを切りました。https://kudan.house/
★コロナ対策
入館前の検温と消毒、マスクの着用にご協力ください。
37.5以上の方は入館をお断りする場合があります。
主催:Contrapuntal by Benjamin Skepper株式会社
協力:九段ハウス
企画:Contrapuntal by Benjamin Skepper
オースミ氏と待ち合わせ訪れた展示会の後、茶飲み話。昔話やこれからのこと。心地好い。TAKEO KIKUCHIのショップで開催中の、ミュージシャン布袋寅泰40周年記念グッズやステージ衣装の展覧を見る。タケ先生のクリエイションと布袋氏のエクスプロージョン。個々強い。
Apollo And Animals /Mic*Itaya
11112020We/1303×970mm/Acrylic,Gold Foil, Silver Foil on Canvas/Copyright 2020 Mic*Itaya Power Of Beauty
■社会情勢により開催日程や入場方法が変更になる可能性がございます
■最新情報はアートコンプレックスセンターHPをご確認ください
WAVE2020展作品搬入。力作揃い。どの作品がどう見えるものか楽しみだ。この時世で開催に踏み切った主催者たちと、参加を決めたアーティストたちに感謝と敬意を表する。描く人が描き、見る人が見る。
絵の完成。サインを入れる。WAVE2020展は明日搬入。FM、サラーム海上さんの選曲素晴らしい。今週も楽しみだ。音楽と音楽が国境を超えて出会い、新しいものが生まれる。サラームさんの生き方そのもの。食と音楽の旅。そこに芸術や伝統や工芸を加えた旅をしたいものだと思う。
「雑」と「味」の境い目と、違いについて考える。双方を意識するのか氣にしないのか。どちらであるにせよ好ましい存在感や佇まいを感じるのか。何よりも美しいのか。それにしても精進精進。
酉の市。日暮れ時、大鳥神社へ。人混みを避けて、遠くからお詣りする。久し振りの洋食屋で夕食とする。
星のアトリエに庭師入る。親方に「旦那さん」と声をかけられ、ちょっぴり驚き、職人の日常を感じ嬉しい。草木が清々する。「旦那さん」もそろそろ床屋に行かなきゃと思う。
来週からのWAVE2020展に出す絵に取り掛かる。二年前の同展に出した絵と対になる。今回はその新作一点のみ展覧するが、対になる作品構成が好きだ。お互いに共鳴しあい、物語が生まれ、無限になろうとする。意思を携え、時空に羽ばたく自由を得る。
朝から水道工事。日暮れ前に終る。漏水箇所の特定に手間取り、難工事になった。だいぶ掘削したが、地下の水道管周辺が水浸しの割には、古い銅管に亀裂や穴が見付からず、かなりの長さを新しいものに取り替えて漏水は止まった。漏れていないと思うと、氣が楽になる。普通のことのありがたさを痛感する。
一枚の絵がもうすぐ描き上がる。次の絵は、テクスチャーもマテリアルも異なるが、テーマは同源。同時に描き進めるには性質が違うので順番に。新しい神話を携えて、全てを押し広げ、全てを呑み込む宇宙には、時間や空間、忘れ去られた神々と人々の関係と記憶がいつでも甦る。大切なことを知り、知ろうとする人には特に。
早起きして絵を描く。十二月の個展までもうすぐ。過去、現在、未来。未来、現在、過去。神聖なこだまや波紋が重なり合い交錯する。繰り返し、変化する旅の岸辺で。
伯母の家の手入れを、従兄弟やその子たちと共にする。茶、筝、三絃、花、謡等、幅広い芸事の師匠であった懐かしい風情のある伯母の家。茶室を中心に古色の味がある。時間と手間のかかることだが、根氣よく整えよう。昼を挟んで朝から作業。晴空に伯母の笑顔が見える。
アリスにはヒゲがない。正確には、あるが短い。ナイスが綺麗に整えるからだ。母猫が子猫のヒゲを噛んで短くし、乳を飲みやすくするように、夜一緒に眠る間にナイスは美容師になる。多分、アリスのヒゲが邪魔になるのと、幼時、母猫に整えてもらった心地好い氣憶があるのだろうと思う。アリスの左頬には一本白いヒゲがあるのだが、それは切らずに必ず残してある。スタイリッシュなナイスらしい。
水道工事人来る。先日、メーターの検針員が水漏れの疑いがあるというので検査。蛇口を全て閉じてもメーターの針が回る。早速見てもらうと、トイレのタンクやキッチンの蛇口に多少の不具合。直したがまだ回る。星のアトリエは古い家で見えるところに漏水はないが。さてこうなると埋設した水道管のどこかだ。針の回るスピードから換算すると、1分間に3リットルは流れている計算だという。とんでもないことだ!必要以外の時は元栓を閉めることにする。箇所を特定し工事出来る来週の水曜日まで。水の大切。
金箔を買い足す。金沢のものを。京都のものと使い分けて使用する。サプリメントとパンを買って還る。ビタミンCとカンパーニュ。
箔貼りが、いつまでたっても巧くならない。毎日やる訳ではないので当然と言えば当然だが。精神修養や集中力の鍛練にはよい。未熟者。
文化の日。絵を描くが、描くというより、作り出す作業。工芸品のように素材と準備に重きを置き、シンプルで素早いタッチを組み合わせ進める。奇をてらうことや、これ見よがしではない、ある種の基本的な柔らかな強さを見る。
仕事用のライトがひとつ、ワイヤーが留め具のところから切れて壊れたままになっている。修理依頼の電話をしたが、時世もあり、修理の手続きはメールのみの扱いだと言う。近頃メールだけということが多い。理想を言えば、メールも良いが、電話や、許されれば直接対面という選択肢が用意されていると、なお良い。昨今メールも電話も、どちらも言葉の使い方に小さなストレスを感じる。そんな風に世の中は変化している。
「軽み」。晩年の芭蕉が唱えた蕉風俳諧の理念のひとつ。日常生活の中に新しい美を見付け、さらりと軽妙洒脱に表すというようなことだが、絵を描く者としては、ひたすら描き続けるのみ。
ブルームーン、満月が一番小さく見える日。ハロウィンに重なるのは四十何年か振りという。絵を描きながらミケランジェリのピアノを流す。木陰で竪琴を奏でるアポロ、鹿、山猫、狼、兎、貂、小鳥。音楽を楽しむ平和。憩う幸せ。魅惑の月光。
昨日今日と清々しい晴れが続く。少し冷え込むようになった。ベランダの朝顔は毎朝小さな花をつける。鉢の小さな薔薇も可憐な笑顔をくれる。美しい。花の咲く意味と花を見る人の心は大昔から変わらない。
神田方面へ打ち合わせ。九段、神田。最近この方角に縁がある。打ち合わせ先の会社代表が、何年も前に「すずも提灯」で「DesignTideTokyo」に参加したとき、隣のブースだった言うので驚く。例によって覚えていない。何か話しましたか、と聞くと、挨拶程度で、そんなに深い話しはしていないよと笑って言う。縁は続く。これからもよろしく。
新しい描き方を試す。と言うか、毎日いつも新しい。同じ日や同じものは無いのだから。渋谷アロープロジェクトの壁画の多くに落書きがある。僕の絵にもある。いずれ誰かが何かを書くだろうと思ったが。新しいコラボレーション作品となっている。はてさてこれから管理をどうするのか。