NOW-HERE LIES LOVE

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デビッド・バーンのファットボーイスリムとの共作アルバム、HERE LIES LOVEが我が星のアトリエの書斎でヘビーローテーション中だ。数ヶ月ほど前に母と雑談をしていて、子供時代の話題になったのだが、小学校4年生のころ フィリピンのマルコス大統領夫人だったイメルダさんに絵をあげたわね、あの絵はどうしたかしら?と唐突な発言に驚いた。そんなことは忘却の彼方。どこのど の様な展覧会であったか定かではないが、イメルダ夫人が僕の描いた絵をどうしても欲しいと望まれたということだ。生まれてから高校卒業まで暮らした水戸で の展覧会だったのか、はたまた東京の展覧会だったのか。まあまあ絵の上手な子供だったので、小学校の代表として僕の絵が市や県の展覧会に時折選ばれて出品 されることがあった。そんな絵は、校長室や教育委員会などのどこかに飾られて、手許に戻ることはなかったように思う。小学校時代の良い絵はほとんど手許に は無い。母が言うにはそれはウサギの絵で、ハンターに狙われたウサギを、ウサギの視点で表現したものだということだ。そう説明されてやっと少しだけ経緯を 思い出したが、ここに記せるほどディテールや構図はフォーカスされてはいない。主催者から小学校に連絡があり、献呈されたようだ。現在、イメルダ夫人の手 元にウサギの絵があるとは思えないが、ぜひ見たいと思う。イメルダ夫人が子供の絵を本当に欲しがるものかは判らないが、案内した人物が気に入った様子を見 て、プレゼントしましょう、と言うかと考えるとそれも無いと思う。デビッド・バーンの新しいアルバムの発売を知って、僕のウサギの絵とイメルダ夫人との ホットな話題もあり、イメルダ夫人!?なぜ?と不思議に思っていたが、アルバムを聴いて作品としての成り立ちを理解した。素晴らしい作品なのでぜひ聴いて 欲しい。音楽を中心にしたデビッド・バーンの新しいアプローチは、高い完成度と鋭い角度を持っている。イメルダ夫人を中心にした、巡り合わせと言えば奇妙 な距離感だが、何かしらの時空を超えた隠喩的な意味やつながりを感じる。どこへつながっているのか。画像はDAVID BYRNEのHERE LIES LOVEのアルバムカバー。 ミック・イタヤ