PICTURE DIARY 3105WE2023
0歳の頃、幼子は官能的な曲線を見た。手に触れ、口に入れたくなった。そして舐めた。セルロイドのアヒルのくちばしの流線型。それが始まり。
0歳の頃、幼子は官能的な曲線を見た。手に触れ、口に入れたくなった。そして舐めた。セルロイドのアヒルのくちばしの流線型。それが始まり。
朝上天氣。午後、急遽宇都宮へ所用。ならばと土産に餃子。変哲無い店売りの野菜餃子。夕刻帰路、暗雲立ちこめ驟雨見舞う。餃子旨し。
驟雨、霧雨。湿氣のせいか怠い。氣候の変化に対応する身体。あるいは身体の変化が示す季節。身体は一足先に進んでいる。頭で氣付くのは遅い。
シャワーヘッドの取り替え。扉の蝶番の取り替え。木戸の留金の取り替え。柱時計の取り替え。
ホームセンターで買い物とリサーチ。行くとなかなか出られない迷宮。
大子町へ。町役場の方々の案内で袋田の滝など見る。大きな蜘蛛を見て怯えた小学校の遠足以来だ。記憶のまま圧巻。移住して店を開く若い人が増えているという。地元の木材を活かし、新しくなった町役場の建物も面白い。
池袋へ。以前はドラム専門の楽器店や、西武美術館などに行くことがあった。画家の故森田茂さんのアトリエがあり、訪ねたこともある。最近は遠退いていた、が久し振りに訪れると独特の空氣が流れている。氣だるく闊達な創造の痕跡。
進む人、後を濁すことのないように。
運転免許の更新。車の運転は、唯一と言っていい趣味なので、慎重に大切に。
毎年受け持つ美術学校の授業。学生たちの個性や傾向の違いと流行の捉え方、表現の変化がまちまちで面白く、楽しみだ。思うがままに、素直が一番だと天使が囁く。
展覧会千秋楽。素敵な方々来てくださる。今更ながらに成長を感じる。三歩進んで二歩退るような。
サボテンを外に出したら、通りがかりの子供が、あ!サボテンだ!と紅潮した顔で大声をあげる。自分には見慣れた存在だが、初めて見る者は驚く。サボテンまた背が伸びた。
代官山ヒルサイドテラスで結城紬、奥順の展示会。織地の設計と専用の方眼の緻密さに言葉を無くす。神宮前でF.O.R.とla fleurの展示会。服を全てターコイズグリーンの箱に入れ、展示方法のお定まりを軽妙に転換。弛みのない […]
口にした言葉を反芻してみると、説教臭くもあり、自戒的でもあり、吐く言葉にはことさら氣配りと配慮が必要だと、噛み砕き、呑み込み、喰い散らかす。
氣温が高い。真夏日の所もある。凡ては相対的な現象かと思う。同じ場所に、同時に2つの物質は存在しないように。浅はかな欲は禁物。
プロセスはいつも不完全で隙だらけなものだ。完成を想像し到達を目指す。プロセスのチャーミングや微笑みを喜びとし、楽しみとして。それこそが浮世。
空高く、遠見がきく景色。それだけで生き方が変わる。
虚数=i。美の本質。
詩の心、海越え、山越え、野を、季節を駆けめぐり、ほとばしる。
薔薇美しい。
以前から氣になっていた、しじみラーメンの店に入る。しじみラーメン鶏チャーシュー丼セット。しじみ、鶏、葱の取り合わせに大満足。
やはり素直が一番。
分岐点や節目というものは、大なり小なり毎日のようにある。今この世の中や人々に、巨大なものが広がっている。複雑だが辿れる道はひとつ。
COSMYTH6展搬入設営。皆の力で予定通り。あの頃、彼女は18で、彼は19だった。
一日雨。雨弱まらず。雨中、車に作品の積込。濡れないように。雨の日の搬入は困る。作業しながら、雨に濡れて完成する作品の製作を考えている自分に苦笑い。
青いベールの向こうには星がある。夜になり、黒いベールに小さな孔を開けたように星がまたたく。神々とて、孔があれば覗いて見たくなる。
タルトメッセのゴルゴンゾーラと玄米味噌のタルト、こどもの日に大人の美味。今も、そしてかつてこどもだった大人たちに。
蝋をひき、引戸がスルスル滑るようになるのは氣持ち良い。ちょっとしたことを、なかなかしないでいる。
陽の当たる場所。皆集まる。
瞳を開いていても閉じていても、見えないものは多い。光を感じる心とは。
やはり、当たり前は当たり前ではない。今まで当たり前だと思っていた事を、もう一度考え直してみる。
蔦薔薇が二輪咲く。密やかであり、誇らしげであり、たおやかである。
それとは知らずに旅して来た。幾つもの無関係と思える出来事が結び付いて、行く手を明るくする。いつものように自然な成り行きに委ねる。
庭のつつじが異次元の空氣を漂わせ、時間を遡るようだ。花の印象にはそれぞれ個性がある。
インターバル。
星のアトリエ、大谷石の暖炉と一体化した2階への階段は、鉄製の手摺と共に星のアトリエのシンボリックなエレメントだ。今ではもう造ることは難しい。
東京、そして星のアトリエに溜まったものを自由にする。
断捨離が必要なのは、自分自身の心の内と知る。
システム大変革。遣り過ごす、乗る、ではなく、自分らしく造る。
少しずつ進む蝸牛が、目を離した隙にもうそこには居ない。全身全霊の柔らかく堅牢に生きる姿。
近頃の天氣、季節が入り乱れている。
本当の爺さんになった時のために、今見ておく。
大人ならではの新しい遊びを思い付き、興奮するやんちゃ坊主たち。
本などを読んで得る知識は大切。自分が元来携えた知恵はより大切。この世での経験以前を思い出す。
雷鳴轟き雹降る。子供の頃、畦道で石つぶてのような雹に降られ、泣きながら走り帰った。背負った籠に溜まった雹の重さに泣き笑い。母の回想。
雨の土曜日。詩人は言葉を呑み込み空高くに吐く。宝はいつも足もとにある。
星のアトリエでデザイナーのYとAが顔を合わせる。何ヵ月振りだろう。賑やかなのは嬉しい。さらにKとMが揃えば4年振りにはなるだろう。かつての日常は夢物語のようだ。博多で展覧会始まる。12年振り。
今とこれからの世界、スピードに注意。
スパイラルカフェでミーティング。ギャラリーで開催中の、現代美術作品展を遠目に見ながら。
自分に支配されている自分がいる。自由な心と氣高い精神は何より大事。