PICTURE DIARY 2210TH2020
九段ハウス、二度目の訪問。1927年、関東大震災後に建てられた、強固なコンクリート造りのスペイン風住宅。地下には全館セントラルヒーティングのためのボイラー室や金庫室、収納室、一階は応接室やリビング、二階を居住スペースとダ […]
九段ハウス、二度目の訪問。1927年、関東大震災後に建てられた、強固なコンクリート造りのスペイン風住宅。地下には全館セントラルヒーティングのためのボイラー室や金庫室、収納室、一階は応接室やリビング、二階を居住スペースとダ […]
早起きして車を走らせる。目的地に到着すると一仕事二仕事。大分時間が経った氣がして時計を見るとまだ8時だ。11時にはあらかたの仕事が終了し、休憩する。一日を長く感じる。「早起きは三文の徳」とは氣持ちの徳のことと知る。
心の安らぎが一番。氣持ちを平らに、微笑むように過ごしたい。何がこの世の不安を作り出しているのだろうか、かつて不安のない世界はあっただろうか。絵を描き、現れたものを喜ぶ。美の喜びを分かち合える仲間が一人でも居れば嬉しい。幸 […]
決まった生活習慣はなかなか変え難い。毎日7~8時間は眠らないと充分ではない、と自分に甘い顔をし、あと1時間早く寝て、1時間早く起きたいと思うが続かずにいる。目下の目標。
日曜日。晴れ。夢を考える。なかなか実現出来ずにいる夢。諦めた訳ではないが、時々思い出すだけになっている夢の数々。偶然に叶うこともあるが、目標を定めて歩む。夢の実現に、早いも遅いもない。
急に寒い。猫たちはヒーター前に板付き、朝から石油ストーブを出した。エアコンも暖房運転する。一氣に冬支度。こんな日はスープが美味しい。のほほんとした春産まれのせいなのか、暑さにも寒さにも弱い。スープが身体を暖め、器から立ち […]
今夏の暑さのせいだろう、庭がジャングルになった。庭師も今年はどこも大変だと言う。素人には高すぎる二本の柿の木と枇杷の木を剪定してもらうことにする。剪定は自分でやるには限界がある。何事もやってみるべきと思うが、知らずに行っ […]
「神はサイコロを振らない」と誰かが言ったが、神様の氣が変わりやすいのは確か。神様の創造するものは偉大だが、人もまた神様が創造したものだとすると、人が造ったものは神様が造ったと言えるだろう。振られたサイコロは神の創りしもの […]
折に触れて感じることだか、絵であったり、その他の作品を製作して、自分が良いと思うものと、人が良いと思うものとが違うという事実。人がどう言おうと自分が良いと思えばそれで良い、万人が素晴らしいと称賛するものを創ろうという訳で […]
日記に何か書かなければ、と思う日がある。そんな日は無理をしない。
徒然草を読む。短い言葉に多くの情景や想い、感情が表れ、音読すると更に美しく好いものだ。
試合は10対9で負けた。附属中学は強く、シーソーゲームで、見物していた人々には面白かっただろう。あれほどライバル心を燃やして、県大会で優勝したチームと試合し絶対に勝つ、と意氣込んでいたが、力いっぱい試合して、ゲームが終わ […]
中学時代は野球部だった。近くに国立大の附属中学があり、私立の進学校の僕らは、附属中学をライバル視していた。野球部のキャプテンとして3年生最後のシーズン、チームは市の大会で3位になり、直接対戦することのなかった附属中学は優 […]
馬の民芸品や玩具がある。午年に生まれ、おそらく祖父母が旅行のおりや、父が出張のさいに求めたものだろうと思う。小さな時には遊び道具で、背に乗ったつもりでヒヒーンといななきながら空を翔んだ。今も回転木馬に跨がり、果てしないイ […]
台風の影響か終日の雨。小降りになった隙に、柿の木に小鳥がたくさんやって来て柿の実をつついたり、虫をつまんだり可愛らしくやかましい。雨と一緒になり、百日紅の花と小鳥の対照が美しい。虫には災難、柿の実を楽しみにしていた我が身 […]
整理整頓するように人間関係も変化する時世。強い関係はより強く、希薄な関係はより薄く。人との往き来が少ない。隠遁など考える。世田谷の150年以上経た古民家に10年程住んだ時代は、早い隠居と称した。自ずと作風も変化し、和の生 […]
知恵や工夫があり、それらが氣持ち良く感じられるものが好きだ。知恵や工夫があり、それらを感じさせない氣持ち良さは、より好きだ。知恵や工夫をせずに、それらがあることさえ覚られず、感じさせない氣持ち良さは、さらに好きだ。
でしゃばりは良くない。人を見てそう感じることはあるが、自分を省みると果たしてどうだったろうかと思う。積極性とでしゃばりの境界が曖昧になることがある。そういうことを考えるので消極的な引っ込み思案になる。ゆえに、案外どうでも […]
星のアトリエ隣に相次いで建った2軒の集合住宅には、短期滞在人向けの部屋が幾つか用意されているらしく、聞こえる声や物音、様子が早いサイクルで変わる。善くも悪しくも、通過点なのだろう。東京はどこに行っても似たり寄ったりな街に […]
人生の岐路に立ち、未来への不安におののいていた頃、ふと占いを見ると「灯」と出た。他に「太陽」、「大地」、「宝石」などある中、「灯」か、と少し不満を感じた覚えがある。占いを信じる信じないは各々だが、占いには必ず理由がある。 […]
影響を受けたものを昇華する様子を、日々の創作の内に素直に現す。隠す力や氣持ちが在るわけでも、器用でもない。毎日の生活で見知った素晴らしい物事が、自分の内でどう生き、活かせるか、人にどう届くのか。全ての芸術は模倣を赦す。模 […]
草を刈る。鉢植に水を遣る。空は高く晴れ渡り、十五夜の月が赤みを帯びて昇る。たまたま丸い煎餅を目の前にして、月見団子も良いが、この丸い煎餅の方が、よほど月のようにも見えると思いながら噛る。パリッと割れた月は、腹におさまり月 […]
9月が終わり10月に入る。1日は十五夜だ。明日の日中は雨の予報で、夜になると晴れるという。晴れるといいな。近頃の天氣予報は細かく、はずれないのでありがたいが、天邪鬼なので正確に知りたくないとも思う。天氣を、空の様子や風や […]
仕事をしながら内省的になるのは発散が足りないから。かといって発散ばかりでは仕様がないが、何にせよ足りないのは良くない。仕事場の模様替えをしてみよう。素直な流れが生まれるように。何にせよ流れが滞らず滑らかに、それでこそ生き […]
星のアトリエの小さな庭に挿し木した蔓薔薇が成長し、門柱に絡み付くほどになった。この季節は茎が柔らかく、言うことをきいてくれるのは今の時期が一番だとのこと。どこへ伸びて行きたいか、たずねてみよう。
多くの人は、写真や動画などで毎日の出来事を残す。自分もそのようなことをしている。千年も経った頃、優れた日記ブログとして残るものもあるかも知れない。あろうがなかろうが、何かを残そうとしている。後世に伝えたいビジョンより、欲 […]
朝、神楽坂辺りを通る。暮らしてみたい誘惑に駈られながら。雨がしとしとと降り、季節の奴、秋を飛ばそうとしている。秋の味覚、芸術、夜長、読書、虫の声愛しく。そういえば、昔から決まり事を作るのは苦手だな、などと考える。季節も気 […]
音楽の女神をスケッチする。人々を鼓舞し、慰め、見守る。左右一対の女神。その音は全天から隅々まで交わり、永遠の美を奏でる。美しい音楽に充ちた空間に憩う時を想い描き、微笑みと慈しみを生む。
昨日、ジュリエット・グレコが亡くなった。好きな国、好きな街、好きな時代、好きな文化、好きな出来事、好きな芸術、好きな音楽、好きな歌、好きな映画、好きな人々、好きな人、好きな女性。拍手は止まない。アンコール!アンコール!ア […]
台風が近付いて来る。HAPPY ENDの曲が頭に浮かぶ。「ドドドドドッドーほうら来たー」。渋谷に住んでいた頃、東口近くのMaxroadは行きつけの珈琲店だった。まだトレスコープを持たなかったので、デザインのため、金王坂下 […]
彼岸墓参。住職と世情の短い立話。皆が手など清潔にするので眼医者が暇になっているなど。そこここに仏花美しい。夕陽速い。
絵具を整える。瓶の中で固まったものを剥がして洗う。作り置いたものを混ぜ、新しい色を作り瓶に入れる。自然に自分好みになるもので、そういう色を覚えないようにする。いつも新鮮であるように。氣持ち良く新発見できるように。忘れる。
寒くなり、猫たちが甘えて寄ってくる。ここのところ毎日、漠然と頭にあるイメージを大きく小さく想い描いている。それが秋口の氣温の低下と共に固まり始めたようだ。どんなかたちで取り出せるか楽しみだ。猫たちの自由な寝姿にも似て。
久し振りの電話。声を聞くのは嬉しいこと。他愛のない用事と他愛のない会話。いつでもどんな時でも印象が変わらないのが信条。しっかりと自分のペースで生きる人。
子供時分には良さが分からず、食べる必要もなく、子供には不味くて食べられないものがあったように、大人にならないと分からない言葉があるものだ。今だから理解できる言葉に再会するこの頃。
コンラン卿が亡くなり、小さな男の子が持つ夢のことを想う。子供の頃は、夢の中に生きる時間をたくさん持ち、未だ見ぬ世界を自在に往き来し、日夜冒険に余念なく、空想の世界に笑い、泣き、怒り、途方に暮れながら勇氣を奮い起こしていた […]
一日中眠る。子供のころのように眠い。タオルケットにくるまり、猫と同じように眠る。
この世情、自己を押さえ込み過ぎて、自家中毒の発生に注意。発酵ブームが続いているとは言え、食えなければ仕方がない。
近年、伝統工芸品のデザインや展覧会に関わりを持ち、意義深い仕事をする機会を得て痛感したのは、伝統工芸品について知識のある人はもちろん、知識も興味もない人を含め、どのようにその存在を知らせ、手に取る機会を作り、使用イメージ […]
常備品のひとつ、生姜ジャム。夏は炭酸水でジンジャーエール、今はパンと共に、あるいは料理に加えたり。寒くなり始めれば生姜湯にする。適量の蜂蜜で甘味は抑え、他はレモン果汁のみ。ゆっくりと煮る。身体が夏を追い出し、冬の準備に入 […]
平年並みの氣温だという。降ったり止んだり雨模様。ゆっくり休む。ほとんど寝て過ごす。眠りがいちばん。
日本。世界との交わり方には考えと工夫が要る。色々な時代を経て現在がある。文明開化や明治維新までは、乱があっても比較的平和な島国だった。大陸の陸続きの波動ではなく海に囲まれた分、ゆったりしているのが本来の姿だろう。海外に肩 […]
受け継いだ、本当に価値のあるものに目を向け次の世代に渡す。自分たちが受け継いで来たものが何であるか目を凝らし、耳を澄まして、匂いを嗅いで、味わって、触れて確める。その場を取り繕うだけの無駄は消える。
花千代さんがプロデュースする、富山ガラスの展覧会「花とガラス」展を見に行く。8名の作家が自由闊達に製作したとろけるようなガラスの花器に、花千代さんが生けた花や植物には、時空を自在に行き来する生命感が宿り現されている。生き […]
人は色々なものを作る。ものは人を幸せにするか、そのものをいつまでも愛用することができるか。そのものは人の一部になり、一緒に生き、楽しみをもたらすものであるか。ものの有り様 を身も心も清まして受け取る。ものとの関わりについ […]
急に雨が降ったり止んだりの天気が続く。そうなると氣もそぞろになり、穏やかではあるが、何となく取り散らかしたような内容の一日になるものだ。じっと前を向いて、心に浮かぶものと瞼の裏で会話する徒然。
しもだて美術館へ安齋肇「えとえのえほん展」を見に行く。ハジメ選手が展覧会場の真ん中に建てたアトリエ小屋の中で絵を描いている。じゃましちゃいけないと思い、会場をゆっくりと散策するように歩く。心のこもった展覧会だ。人は人に支 […]
人に表裏があるわけではない。表しか見えない人がいて、裏しか見えない人がいる。
人それぞれに楽しい記憶や悲しい記憶がある。喜びや憂いを編んでたがいの人生が形作られ、彩られている。交わり、結び、解き放ち、言い表しようのない姿かたちの入れ物、敷物、着物になって心の部屋にある。どんな思い出も輝く部屋。
夕方、絵の架け替えにSmell Barへ。まだ新しい絵は完成していない、やっと下絵が出来たところだ。以前描いたBowieの絵を飾る。