PICTURE DIARY 1012TH2020
箱書する。漆工芸作家の辻 徹さんとの協業作品。八溝塗錫彩盃十六客揃。「太陽讃歌」、太陽、星、雲、波、雷、雨、山、滝、川、木、花、人、月、魚、海、そしてまた太陽。自然界の水の循環を顕す十六客揃。基本。
箱書する。漆工芸作家の辻 徹さんとの協業作品。八溝塗錫彩盃十六客揃。「太陽讃歌」、太陽、星、雲、波、雷、雨、山、滝、川、木、花、人、月、魚、海、そしてまた太陽。自然界の水の循環を顕す十六客揃。基本。
毎日出来るだけ穏やかに過ごしたい。
来年は丑年、牛を描く。牛はゆっくり、ゆったりと草を食むイメージがあるが、闘牛のように力強くもある。どのような丑年となるか啼き真似る。モー、モゥ?モーッ!
我々には過去の遺産を継承し、未来に届ける勤めがある。先達が残し、伝えようとしたことを感じるのが大切。現在の経済的価値観では推し量りようもなく、母の愛のように、何物にも代えがたい。
個展会場に居る時間、心地好い。作品を見守り見守られ、会話するように過ごす。
とても寒い感じがする。心まで冷やさないように氣を付けて。この世情では、それぞれがそれぞれの立場でそれぞれを思い遣る、柔らかで大きな心持ちが必要だ。
古いものの中に新しいものが潜んでいる。浮かび上がる影は、いつも潜むものよりも大きい。虚飾を拭い去り、実を採る果樹園。
すずも提灯に明かりを入れる。古いものと新しいものとが出会い、暗闇を照らす。照らし出されるものの意味が浮かび影を映す。ゆらゆらと。
これが今の精一杯か。開催中の個展に到る経過を顧みて、あらためて思う。もっともっとと言えばきりがない美の世界。最善を尽くした状態は素晴らしく、並ぶ作品に次が見える。美の喜びを現し届ける。
COSMYTH3 PEACE PIECE展初日。在廊は諦めていたのだが、館長にご挨拶をとギャラリーへ行く。見にいらしたお客様と深い話が出来、顔を出して良かったと心から思う。通じ合う者同士は通じ合うもの。
WAVE2020搬出日、COSMYTH3搬入日と重なる。重なるはめでたい。PEACE PIECE展では2018年のUNISUSと2020年のUNIDOVEを初めて対で展覧する。印象が楽しみだ。人のイマジネーションは、時間 […]
個展、明日の搬入に向け準備。4月の予定を12月に延期したが、4月の状況より事態が好転しているとは言えず。再度の延期や中止も考えたが、この世情、見る人が見る、そのことに大きな意味があると思い直す。愛や平和を求める氣持ちは皆 […]
創庫に提灯と絵を取りに行く、来週の出番のために。夜、ギャラリーつついの外観を見に寄る。片流れの屋根の切先に月がかかり幽玄。壁面に取り付けるレリーフの確認をする。イメージのとおり美しい。進める。
一筆一筆一心に絵を描く一日。
久し振りに雨が降り、庭の草木が喜んでいる。そんな様子を愛でる。だが、大雨のところもあり、喜んでばかりもいられない氣持ちになる。好いことも困ったことも背中合わせな今日の雨。
描きながら無音がよい場合もあれば、何か音が欲しい場合もある。良い音楽でなければ聴かず、合わない音では思う絵にならない。線には波動があり、乱れを嫌う。話す人の声質も同様。レコード針が溝をなぞり音が生まれるように、描線から音 […]
昨日に比べればとても低い氣温だが、ここのところの暖かさに馴れた身体には寒いという感じがなく、太陽が傾くころ、ふと寒さに氣付く。何日か前の夕方の西空に、面相筆でさっと描いたような細く切れのある三日月を見た。閉じた瞳のような […]
新しいことにトライする。イメージの中では上手くいくはずだが、実際に試すと思うようにはならない。氣を取り直し、美意識の許す範囲でアプローチを変える。アイデアと思考の振り幅が決め手。単純だがそんな試行錯誤の連続。やはりいつで […]
すでに新しい年に向けて、物事は進んでいる。一年の帳尻を合わせるかのように。師走に入ればさらに加速する。毎日の全ては途中経過だが、年末年始や誕生日の前後は大きな節目になる。連面と続く日々の成果を顧みて、明日につながる生活を […]
少し風が吹く。出入口の辺りを掃除にと箒を持ち外に出るが、木の葉が風にくるくると舞い、木の葉集めのゲームのようで可笑しい。毎日の掃除の意味は、綺麗にするというのはもちろんだが、それ以上に、心を穏やかに解きほぐす役割がある。
出来事は、一日経つと落ち着く。時間と共に感情の昂りが消え、相応しい反応が出来るようになる。仕事など直感で生きる部分が大きいので、素直といえば素直でよいが、ダイレクトでクイックな反応をしがちになる。いつも一呼吸置くのが大事 […]
自分を愛するのは大切だが、自分のことしか考えないのでは困る。人を愛するからといって、その人のことしか考えないのも困る。困るは困る。女神の頭像を五点スケッチした。氣の強そうな顔をしている。困るとうこととは縁遠いお転婆で神聖 […]
オースミ氏と待ち合わせ訪れた展示会の後、茶飲み話。昔話やこれからのこと。心地好い。TAKEO KIKUCHIのショップで開催中の、ミュージシャン布袋寅泰40周年記念グッズやステージ衣装の展覧を見る。タケ先生のクリエイショ […]
WAVE2020展作品搬入。力作揃い。どの作品がどう見えるものか楽しみだ。この時世で開催に踏み切った主催者たちと、参加を決めたアーティストたちに感謝と敬意を表する。描く人が描き、見る人が見る。
絵の完成。サインを入れる。WAVE2020展は明日搬入。FM、サラーム海上さんの選曲素晴らしい。今週も楽しみだ。音楽と音楽が国境を超えて出会い、新しいものが生まれる。サラームさんの生き方そのもの。食と音楽の旅。そこに芸術 […]
「雑」と「味」の境い目と、違いについて考える。双方を意識するのか氣にしないのか。どちらであるにせよ好ましい存在感や佇まいを感じるのか。何よりも美しいのか。それにしても精進精進。
酉の市。日暮れ時、大鳥神社へ。人混みを避けて、遠くからお詣りする。久し振りの洋食屋で夕食とする。
星のアトリエに庭師入る。親方に「旦那さん」と声をかけられ、ちょっぴり驚き、職人の日常を感じ嬉しい。草木が清々する。「旦那さん」もそろそろ床屋に行かなきゃと思う。
来週からのWAVE2020展に出す絵に取り掛かる。二年前の同展に出した絵と対になる。今回はその新作一点のみ展覧するが、対になる作品構成が好きだ。お互いに共鳴しあい、物語が生まれ、無限になろうとする。意思を携え、時空に羽ば […]
朝から水道工事。日暮れ前に終る。漏水箇所の特定に手間取り、難工事になった。だいぶ掘削したが、地下の水道管周辺が水浸しの割には、古い銅管に亀裂や穴が見付からず、かなりの長さを新しいものに取り替えて漏水は止まった。漏れていな […]
一枚の絵がもうすぐ描き上がる。次の絵は、テクスチャーもマテリアルも異なるが、テーマは同源。同時に描き進めるには性質が違うので順番に。新しい神話を携えて、全てを押し広げ、全てを呑み込む宇宙には、時間や空間、忘れ去られた神々 […]
早起きして絵を描く。十二月の個展までもうすぐ。過去、現在、未来。未来、現在、過去。神聖なこだまや波紋が重なり合い交錯する。繰り返し、変化する旅の岸辺で。
伯母の家の手入れを、従兄弟やその子たちと共にする。茶、筝、三絃、花、謡等、幅広い芸事の師匠であった懐かしい風情のある伯母の家。茶室を中心に古色の味がある。時間と手間のかかることだが、根氣よく整えよう。昼を挟んで朝から作業 […]
アリスにはヒゲがない。正確には、あるが短い。ナイスが綺麗に整えるからだ。母猫が子猫のヒゲを噛んで短くし、乳を飲みやすくするように、夜一緒に眠る間にナイスは美容師になる。多分、アリスのヒゲが邪魔になるのと、幼時、母猫に整え […]
水道工事人来る。先日、メーターの検針員が水漏れの疑いがあるというので検査。蛇口を全て閉じてもメーターの針が回る。早速見てもらうと、トイレのタンクやキッチンの蛇口に多少の不具合。直したがまだ回る。星のアトリエは古い家で見え […]
金箔を買い足す。金沢のものを。京都のものと使い分けて使用する。サプリメントとパンを買って還る。ビタミンCとカンパーニュ。
箔貼りが、いつまでたっても巧くならない。毎日やる訳ではないので当然と言えば当然だが。精神修養や集中力の鍛練にはよい。未熟者。
文化の日。絵を描くが、描くというより、作り出す作業。工芸品のように素材と準備に重きを置き、シンプルで素早いタッチを組み合わせ進める。奇をてらうことや、これ見よがしではない、ある種の基本的な柔らかな強さを見る。
仕事用のライトがひとつ、ワイヤーが留め具のところから切れて壊れたままになっている。修理依頼の電話をしたが、時世もあり、修理の手続きはメールのみの扱いだと言う。近頃メールだけということが多い。理想を言えば、メールも良いが、 […]
「軽み」。晩年の芭蕉が唱えた蕉風俳諧の理念のひとつ。日常生活の中に新しい美を見付け、さらりと軽妙洒脱に表すというようなことだが、絵を描く者としては、ひたすら描き続けるのみ。
ブルームーン、満月が一番小さく見える日。ハロウィンに重なるのは四十何年か振りという。絵を描きながらミケランジェリのピアノを流す。木陰で竪琴を奏でるアポロ、鹿、山猫、狼、兎、貂、小鳥。音楽を楽しむ平和。憩う幸せ。魅惑の月光 […]
昨日今日と清々しい晴れが続く。少し冷え込むようになった。ベランダの朝顔は毎朝小さな花をつける。鉢の小さな薔薇も可憐な笑顔をくれる。美しい。花の咲く意味と花を見る人の心は大昔から変わらない。
神田方面へ打ち合わせ。九段、神田。最近この方角に縁がある。打ち合わせ先の会社代表が、何年も前に「すずも提灯」で「DesignTideTokyo」に参加したとき、隣のブースだった言うので驚く。例によって覚えていない。何か話 […]
新しい描き方を試す。と言うか、毎日いつも新しい。同じ日や同じものは無いのだから。渋谷アロープロジェクトの壁画の多くに落書きがある。僕の絵にもある。いずれ誰かが何かを書くだろうと思ったが。新しいコラボレーション作品となって […]
描きたい人は何でも自由に描けばよい。人の迷惑にならないように氣を付けて。描いたもの自体が迷惑なモチーフの場合もあるが。道徳的であろうが不道徳であろうが、描きたければ自由に描けばよい。
アシスタントAが鰹のたたきを持って来る。土佐の高知、四万十の生まれ育ち。お返しにという訳ではないが、頂き物の鮭の切身を分ける。こちらは築地から。美味しいものを一緒にいただき、分け合う。この時世ではなかなか大変だが嬉しい。
店頭に蜜柑が並び始めた。蜜柑を昔のように食べなくなった。冬といえば炬燵にTVと蜜柑の団らんを思い浮かべるが、今時は炬燵も無く、TVも視なくなり、団らんする家族もいないとなると、蜜柑を食べるシーンが少ない。近頃の生活ではタ […]
朝陽と共に仕事を始め、夕陽と共に仕事を終える。空と海の瞳、空と大地の瞳、空と草原の瞳、空と森の瞳、星空と月の瞳、夜空と夜の森の瞳、瞳には全てが映る。空の青と太陽の輝きの瞳。
心、技、体、環境、材料の均衡が定まらずに、しばらく腰の入った作品に取りかかれずにいた。毎日の調子に合わせた絵やスケッチ、依頼作品は進めたが、行く手の道筋にあるものを、中途で下描きや彩色のまましばらく眠らせていた。作品は、 […]