PICTURE DIARY 0412FR2015
今日は大分寒く感じる。東京もやっと本格的な冬に入ったのか、一日一日がいとおしく過ぎて行く。アトリエの磨りガラス越しに入る、柔らかな日差しの明るさが絵肌に暖かな印象と彩りを与え、筆先をその温度をなぞるように運ばせてみる。遠目に見るきっぱりとした線と線の組み合わせだが、近付くとグラデーションのある境目に、パステルトーンの色面が広がる。枯れて色を失った葉を残して、風に震えるように揺れる冬の枝の指揮棒。冷たさを増した空気の楽器をヒューと鳴らすこの季節に、目には見えぬ奥深くに、すでに春を隠し携えたオーケストラが、入念なリハーサルを繰り返している。