PICTURE DIARY 1108SU2013

PD20130811s
カラヤン・メモリアル・コンサートの記録映像を見ていて、指揮をする小澤征爾が文楽の人形のように、あるいは人形浄瑠璃を観ているかのように思えて来た。内在するものを伝えようと物凄く表情豊かな指揮振りなのが、人形の限られた表情と手つきや仕草、身体の角度など全身から溢れ出る力や技と、小澤征爾の動作が重ね合わされたようなイメージで発散し、感情や情念と言うものが乗り移ったようで、あたかもカラヤンの指揮スタイルの、台上で両の目を閉じて両手をふわふわと動かす指揮の様子の、そのまぶたの内側の、豊かで厳格な色彩に棲む妖精のようでもある。確かにそこにカラヤンが居る。コンサート会場やその総てを包み込んで。小澤征爾の美と共に。

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