PICTURE DIARY 2308TH2012


夕暮れるのが大分早くなった。公園を歩いていると蝉時雨とスケボーの音、テニスのボールがラケットに当る音、団地の広場の盆踊りの民謡、ジョギングの足音と追い抜いて行く呼吸音や頭上のカラスの鳴き声、走る車に子供の自転車のベル、噴水の水音と鳩の羽音や遠く、近くの人の声が渾然一体としてシンフォニーになる。それらは不規則な調和を持つ。指揮者が居るとすれば、彼が望むならば公園の広場の隣にある小山に登り、観客を見渡して足早な太陽の沈む音を聞き、夕闇を器用に飛び始めた蝙蝠たちの聞こえない楽器のチューニングの後、静かに、しかもくっきりと力強く鳴り始めた夜空のフルオーケストラの望洋とした満天に、一番星がまたたき始める澄んだ高い音が響くのを聴く。夜の帳につつまれて昼の部は厳かな色彩を帯びて終了し、夜の部では煌々とした月の光が弧を描き、ゆったりとしたテンポで眠りを奏でるだろう。夢から覚めないように気を付けて、朝のファンファーレまで。

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