PICTURE DIARY 1105FR2012


ロベール・ドアノー写真展。東京写真美術館。生誕100年を記念した回顧展。ドアノーの写真は多くの人々に愛されている。ドアノーがカメラの前の人物や風景を愛したであろうように。そんな親密な空気とチャーミングな時間が現像されて印画紙に焼き付けられている。アコーディオン弾きを撮影したコンタクトプリントがある。状況やプロセスが掴めるのが面白いけどドアノーとしてはNGかも知れないな。コンタクトプリントを見るとドアノーが写真を撮る際の楽しみ楽しさがダイレクトに伝わって来る。ドアノーの写真は、被写される人物の内側への入り込みに特徴がある。仲良くなって気のおけない間柄になって初めてカメラに収まる写真になる。レジスタンスの仲間を撮った写真などは、危険な証拠写真であるだけに強い信頼関係が伺える。子供を捉えた写真も多く、子供たちにカメラを向けるに際しては独特なアプローチがあったのだろう。カメラを手に子供の前に現れるドアノーは、きっと子供にとって、とても自然な存在だったのか。愛して愛される写真家ドアノー。ヴオーグ時代のモード写真や近代建築の写真のように、ちょっと気乗りのしていないテーマの写真も堂々としている。

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