巨大な月が低い家並みと立木の間に平たく丸く神様の冗談のようにポッカリ浮かんでいる。次に月を探して空を見上げると高層の鱗雲の向こう、古の貴人の詠んだ歌もかくやという風情で高みに輝きながら、地上の遥か彼方を見つめる月がある。仲秋の名月。
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