PICTURE DIARY 3004SU2017
上野へ、「茶の湯」特別展を見に行く。名物茶碗や道具類、書画の軸など、流派を越えた名品の数々に、茶の道の歴史を興味深く面白く拝見し、未だに漠とはしているが理解と認識を新たにした。一体、足利将軍家の茶周辺の事物に対する執心の尋常ならざること。利休の目利きの卓越と昇華のセンス。遠州の新古典主義的平安貴族文化へ寄せるロマンチック。不味や織部などに顕著な、継承の独自性と美学。大陸文化との仏教をはじめとする交流の中で、日本で独自の熟成をして、茶の湯が今も続いている事実。足利の将軍が青磁の椀を割ってしまい、中国に同じものをくれと送り返したが、それ以上の名品はもう無いと、かすがいを打ち繋いで送り返して来た話、好きだ。利休のたった一幅残る肖像画の印象、神経質な太さ、特に興味をそそる。大陸に渡るとき、日本から何を土産にしたのだろう。