PICTURE DIARY 2704TH2017

pd20170511s
たまに行く、一種類だけの煎餅を焼いて商う煎餅屋で、並んでいるのは煎餅よりカメラが目立つような変なところのある老舗だが、注文した煎餅を包む間、そのカメラを何気なく眺めているとライカというロゴが目についた。主人にライカですね。と言うと、中国製ですよと言って見せてくれる。手に取って見ると確かに中国の言葉で刻印がある。その奥のもう1台の同じようなライカを目で示して、あれは?ああ、あれはソビエト製。見せてもらうとソビエトの言葉で刻印がある。昔は西の国の製品を複製して、国内で大量に製造販売していたと説明してくれる。主人は大変なカメラコレクターらしく、8×10、4×5のカメラも数台ずつ所有していると言う。ストロボやアクセサリーも集めていると言いながら出してくれたのはマグネシウムをのせて発火させ、鳩が出ますよ!の金属製だった。お土産に箱買いしたという「写るんです」の30周年記念モデルをどうぞと1台差し出され、危うく煎餅代を払うのを忘れるところだった。代金を受け取りながら、家のがあんたこれどうすんのよってうるさいんだよ、と小声で言う。そうだろうなと微笑みながら僕もなんとなく小声で、また、と言いながらそっと帰る。

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